君だけに紡ぐ詩

ねむりねずみ@まひろ

20分程度の4人声劇台本です

⚠️注意事項⚠️

■CAS生声劇、Skype劇、ボイスドラマ、イラスト作成、演劇、朗読など、金銭の絡まない物に対しては、無償でお使い頂けます。

イベントで販売したい、お客様を呼ぶ演劇に使いたい、など金銭の発生する物は、別途ご相談ください。


■キャラクターの性別は、絶対ではありませんが、世界観を壊すような無理な変更はやめてください


■ CASで声劇する場合、事前に教えて頂ければ聞きに行けるかもしれませんので、よかったらご連絡ください!

Twitter→ @nanakoenana


『キャラクター』

鈴(すず):拾われた子猫

桂吾(けいご):大学生 詩織の事が好き 詩織とは幼なじみ

詩織(しおり):大学生 桂吾の事が好き 桂吾とは幼なじみ

謎の男 :怪しい薬売り 実は死神


『コピペ用キャスト表』

♂2:♀2


鈴:

桂吾:

詩織:

謎の男:


以下台本

_____________

猫「みーみー」


桂吾「こんな所にいた…」


猫「みーみー」


桂吾「なんだお前 独りぼっちか…」


猫「みー」


桂吾「なら、俺と一緒にくるか?」


猫「みー」


桂吾の家


桂吾「こら、鈴!これは大事な書類だって言っただろう」


鈴「えー、しらないよー、これ、かさかさしてて面白いんだもん」


桂吾「全く反省してないな、お前」


鈴「そっ、そんなことないよ…」


桂吾「……」


鈴「き、機嫌直して、桂吾」


桂吾「まったく…しょうがないなぁ」


鈴「えへへ、桂吾のそういう所 大好き」



インターホンがなり、桂吾は玄関へ



桂吾「はーい」


鈴「あ、桂吾…」



玄関から 笑い声が聞こえ 女性が一人部屋に案内される



鈴「またあの人だ…最近、毎日家に来てる…むー!桂吾は私のダーリンなのにい!!」


桂吾「今お茶持ってくるから 適当に座って」


詩織「ありがとう、あら?鈴ちゃん…こんにちは」


鈴「…こんにちは」


詩織「なんだか元気無いわね」


桂吾「あー、さっちちょっと叱っちゃったからかな」


詩織「どうせ、桂吾が放って置いた書類か何かを散らかしたんでしょう」


佳吾「げ、お前 エスパーかよ」


詩織「おバカ、小さい時からあんたと一緒にいるのよ?わかりきったことじゃない」


桂吾「ひっでー」


鈴「なによ、にやにやしちゃって!!桂吾のえっち!」


吾「痛っ、こら鈴やめろって」


鈴「もー馬鹿馬鹿馬鹿!桂吾は鈴のダーリンでしょ!」


桂吾「わかったから、鈴、勘弁してくれって」


詩織「ふふふ、仲がいい事」


桂吾「お陰で傷だらけだよ 」


詩織「はいはい。さっさと課題終わらせちゃいましょ」


桂吾「そうだな、鈴ちょっと、あっちに行っててくれな」



廊下に鈴をだしドアを閉める桂吾



鈴「あ、桂吾っ、開けて!開けてよ!!」



中から楽しそうな声



鈴「いつもそう…あの人が来ると私の事邪魔者扱いして…もういい!!桂吾なんて知らない!!」



家を飛び出す鈴



桂吾「鈴?散歩かな?」


詩織「こら、気を散らさない!今日中に終わらせなきゃ ならないんだから」


桂吾「わかってるよ…」



宛もなく 歩き続ける鈴



鈴「桂吾の馬鹿馬鹿馬鹿!!スケベ!変態!女好き!!…私というものがありながら…なんでいつもあの人なのよ」


鈴「桂吾はちっとも気づいてくれない…こんなに好きなのに…あの人さえ居なければ こっちを見てくれるのに」


謎の男「そこのお嬢さん」


鈴「…誰?」



鈴が振り返ると 見知らぬ青年が立っていた



謎の男「ただの薬売りだよ…それより取っておきの薬があるんだがいかがかな?」


鈴「薬?」


謎の男「ああ、そうだよ。目が良くなる薬や、手足が生える薬、はたまた 意中の男性を射止める薬…とか」


鈴「意中の男性を射止める…」


謎の男「ああ、 この薬を使えば いちころさ」


鈴「それください!…あ、でもお金が」


謎の男「お代は後払いで結構…」


鈴「おじさんありがとう!これで桂吾の心は鈴のものっ!早く帰らなきゃ!」


謎の男「ああ、お代は後で貰いに行くからね…」



急いで家に帰りつく鈴



鈴「ただいま!」


桂吾「鈴、良かった…どこに行ってたんだよお前、探したんだぞ」


鈴「えへへ、ごめんね圭吾」


詩織「桂吾、鈴ちゃん見つかったの?」


桂吾「ああ、悪かったな詩織 こんな遅くまで…」


詩織「大丈夫よ、それより終わらなかった部分は、明日の朝に仕上げましょ、朝一番に来るから夜更かししないでよ?」


桂吾「ああ、また明日な」


詩織「また明日」



ドアがしまる



鈴「もう来なくていいわよ!桂吾は私と幸せに暮らすんだから」


桂吾「どうした鈴、なんか怒ってる?」


鈴「べつに」


桂吾「…まあ、いいか。さ、ご飯にしよう」


鈴「うん!…こっそり飲み物に混ぜて飲ませちゃわなきゃ」


桂吾「ほら、危ないから向こう行っててな」


鈴「桂吾が台所にいるすきに……サラサラサラー…これでよし」


桂吾「さ、できた。食べようか!」


鈴「いただきまーす」


桂吾「いただきます…うん、我ながら今日の料理も絶品だわ」


鈴「…早く飲まないかなぁ」


圭吾「ごくごく…ごちそうさま!さ、かたずけないと…うっ… あれ?」


鈴「圭吾?」


圭吾「立ちくらみかな…それより かたずけて早く寝なくちゃ…あれ?なんで早く寝ないといけないんだっけ?」


鈴「圭吾…大丈夫?」


圭吾「鈴、どうした?遊んで欲しいのか?」


鈴「えっ!いいの?!」


圭吾「最近構ってやれなかったからな、…あれ?なんで構ってやれなかったんだっけ…」


鈴「これってもしかして…わぁい!圭吾は、鈴だけの圭吾になったんだね!」


桂吾「おいおい、鈴引っ張るなって」


鈴「だって、嬉しいんだもん!桂吾が鈴だけを見てくれてる!」


桂吾「わかった、わかった…遊んでやるから、なっ」


鈴「うん!」



次の日インターホンがなる



詩織「桂吾、おはよ 来たわよ!」


鈴「ん…あの女がきた、でも、残念でした!桂吾は鈴のものになったんだから!」


桂吾「…」


織「桂吾?」


桂吾「…君…だれ」


詩織「…は、何言ってるのよ、幼なじみの 詩織よ!昨日、明日の朝いちで課題やるから来るって言ったじゃない」


桂吾「知らない」


詩織「知らないって…」


桂吾「わるいけど、帰って」


詩織「ちょっと、桂吾」


鈴「やったぁぁああ!!これでじゃまなあの女はいない!つまり、私と桂吾だけ!」


桂吾「…」


鈴「さあ。桂吾!邪魔者もいなくなったことだし今日も私と遊びましょ!」


桂吾「…」


鈴「桂吾…」


桂吾「し…おり…」


鈴「…なんで桂吾泣いてるの」


桂吾「…」


鈴「やだ、やだよ、泣いたらやだ…鈴が詩織のこと忘れさせちゃったから…ねえ、笑ってよ…ねえ!こんなのやだよ…」


謎の男「ああ、こんな所にいたんですね 探しましたよ」


鈴「昨日の…」


謎の男「昨日の薬は使われたみたいですね」


鈴「うん…でも 桂吾が、笑わなくなった…」


謎の男「あなたが一番になれたでしょう」


「それはそうだけど」


謎の男「なら、お代を頂かなくては」


鈴「鈴、お金なんてもってない」


謎の男「お金なんていりません、もっといいものをもらいます 」


桂吾「うっ…苦しい」


鈴「桂吾?!」


謎の男「あなたの1番大切なものを頂きますよ」


鈴「そんなっ!だめっ!!誰か、だれかっ!!」


詩織「桂吾…やっぱり、私…… はっ…桂吾!?」


謎の男「おや…邪魔が入ってしまいましたか」



救急車で病院に運ばれる桂吾

病院の待合室



詩織「…いったい何が起きてるの…」


鈴「…」


詩織「昨日まであんなに元気だったのに…」


鈴「鈴のせいだ…」


詩織「桂吾が死んじゃったらどうしよう…」


鈴「こんな事したかったんじゃない…鈴はただ桂吾の一番になりたかっただけなの」


詩織「鈴ちゃん…鈴ちゃんも悲しいのね」


鈴「詩織…っ」


詩織「あ、鈴ちゃんどこいくの!」



病院の外へ駆け出す鈴



鈴「見つけた」


謎の男「おや、どうしたんですかそんなにいそいで」


鈴「今すぐ桂吾をなおして」


謎の男「それは、出来ません、お代ですから」


鈴「それなら、鈴の命をあげるから、だから桂吾は元に戻して」


謎の男「いいのですか?2度と会えなくなるんですよ」


鈴「桂吾が、また笑顔になるなら…」


謎の男「それなら、この薬を飲ませなさい…ただし、薬を飲ませている間 喋ってはいけないよ?」



病室



鈴M「…桂吾、ごめんね 鈴のわがままで 桂吾のこと 死なせちゃう所だった…

でも。この薬をのめば大丈夫だからね」


桂吾「ん…あれ…」


鈴「…」


桂吾「誰かいるのか……鈴?」


鈴「…」


桂吾「泣いてるのか…大丈夫、もう大丈夫だから、泣かないで…」


鈴「…」


桂吾「よしよし…」


鈴M「桂吾…大好きだよ…ばいばい」





次の日



詩織「…ご…桂吾」


桂吾「ん…詩織…」


詩織「私のことわかるの?良かった…」


桂吾「わかるよ、当たり前だろ…それより俺いったい…


詩織「昨日部屋で倒れてたのよ!お医者さんは 予断を許さない状況とか言うし、ほんとに心配したんだから!」


桂吾「わるいわるい」


詩織「もう…」


桂吾「…雨か…」


詩織「…桂吾?」


桂吾「いやさ、 昨日、小さな女の子が泣いてる夢をみたんだけど…どこかで見た事あるような気がして」


詩織「…なにそれ、変な夢ね」


桂吾「誰だったんだろう…頭を撫でたらさ、笑ったんだ…ずっとそばにいた気がするんだけどなぁ」



猫の鳴き声



桂吾「…鈴」


詩織「鈴?鈴ってなに?」


桂吾「俺そんな事いった?」


詩織「言ったわよ、どうかしたの?」


桂吾「いや、今、猫の声が聞こえた気がして」


詩織「?しないわよ、それより課題もやらなくちゃ」


桂吾「そうだった…忘れてた…」


詩織「もう、病院に持ってきたから 先に準備しとくわよ」


桂吾「ああ、たのむわ…にしても、本当に誰だったんだろう…でも、もう泣いてないといいな」


猫「にゃーん…」


おわり

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君だけに紡ぐ詩 ねむりねずみ@まひろ @sibainu_uta

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