第6話


ロリコン眼鏡の暴走により、ドワーフのじいさんが面接を中断し、メガネを追い出した後

僕はドワーフからの条件を飲む代わりに冒険者(仮)となることを認められた

少女にキスされただけで⋯⋯

そういう女性が好きな方からしたら軽すぎて不服かもしれないが、一般人が見たら重すぎる

溜息と共に不満を吐き出し、ドワーフからの条件を思い出す


ドワーフのじいさんからの条件は2つ

1つ目は、まず依頼をクリアしていき個人ランクをDまで上げること期限は3ヶ月

2つ目は、ビーストファングのメンバーの逮捕に対する助力、アンガス都市ないのみ周りを週2、3回行うこと(最低三ヶ月間)

との事だった、もしも条件を満たせなかったら冒険者ブラックリストに登録されてしまうらしい

よくは知らないがブラックリストという名前からして冒険者になれなくなるような感じのやつだろう


部屋から出てレオン達にランクとブラックリストについて聞いたのだがこれから用事があるとかで、急いでギルドから出ていった

今日会ったばかりなのに、白薔薇の騎士団には迷惑をかけてばかりだ

僕は小さくありがとうと言って歩き始めた



白薔薇たちと別れギルドカウンターまで戻ってくると、午前中から僕の担当をしてくれている人に話しかけた


「あの、面接が終わりました」


「わかりました、では今度はこちらへ」


またも移動⋯⋯


「⋯⋯わかりました」


今度は、カウンターの隣の部屋へ招かれた

部屋にはソファーが2つと、その間に膝くらいの高さのテーブルが1つ置かれており、壁には絵や花瓶が飾られている

僕がソファーに座ると、向かい側のソファーに女性が座った

女性は、ギルドカードと、薄い冊子をテーブルの上に置き、軽くお辞儀をする


「私の名前はエンリ、以後お見知りおきを」


エンリさんは短い茶髪、体は凹凸が、あまりなくスレンダーで、声も綺麗だ

僕は緊張のせいか少しおかしな返事を、返してしまった

エンリはそんなことを気にもとめず説明し始めた


「まずはギルドについて、ギルドというのはこの世界の異変に素早く対応するための組織です

なのでどの国、どの種族、にも平等に接し、協力する

これがギルドの最低限の決まりです


ギルドでは、冒険者として登録された方のみ、依頼を受けることが出来ます、依頼の内容は様々で、モンスターの討伐から、薬草採集、など色々ありその難易度などによって期限が設けられます

依頼を受け、受けた依頼の期限がすぎてしまった場合、問答無用で、破棄もしくは他の冒険者が、引き継ぐという形を取らせていただき、依頼を諦めるもしくは期限切れ、失敗となった場合依頼報酬の3割を負担していただきます


次に冒険者登録者の、特権についてです

先程説明しました依頼をうけること、そして冒険者の方々の財産をギルドが責任を持って貯蔵するというサービスがございます

このサービスは、どの国のギルドであっても、出し入れ可能です、ただし、引き出す際には予め報告してください、金額によってはお引き出しできない場合がございます」


「わかりました」


「では、続いてランクについて説明します

ランクはこちらに記載されていますように、8種類あります

上からSS、S、A⋯⋯とあり一番下がFです

個人ランクの場合のみ、Bランク代からは下からB-、B、B+と3段階に別れています

ランクが高くなるほどあげることが困難になりますが、高いランクほど受けることが出来る依頼が増え、報酬も増えます

それに高ランク者は、あらゆる特権が与えられます

特権についてはまたランクアップ試験に合格した際に説明します

ブラックリストとは、犯罪を犯したもの、依頼に関する嘘の報告などをしたものの名が記載されたものです

ここに書かれたもの達は、以後依頼を受けることはできません(以下省略)」


エンリは一気に説明し終えると、ふぅっと息を吐き、続けた


「大まかな説明は以上です、質問とかありましたらいつでも仰ってください」


「ありがとうございます

ではまず──」


冊子を使った丁寧な説明だった

僕はあらかた質問したあと、ギルドカードを受け取った

ギルドカードは、簡単に言うと身分証明書である

これによって、ギルドに預けたお金や、他国に入る時に入国料金免除など、色々な特権をもつことが出来る便利なカードだ

宿屋の場所を聞いて部屋をあとにした



宿屋はギルドから10分程度歩いた所にある少し古くさい木造の建物だった

この宿屋はギルドが管理しており、部屋は一人部屋と、大人数の部屋のふたつから選べ、朝晩飯付きで一人部屋は大銅貨3枚、大人数の部屋は1枚だ、飯抜きだと、一人部屋は大銅貨2枚に小銅貨20枚、大人数部屋は小銅貨20枚だ

最初は大人数部屋にしようと思ったのだが、8人部屋でしかも二段ベッドが4つあるだけというものだったので飯なしの一人部屋を1ヶ月借りることにした

銀貨しかないというと、銀貨1枚あれば足りる、と言われたので銀貨1枚を渡した所お釣りとして大銅貨が460枚も貰えた

僕は宿屋の定員にお礼を言い、302と書かれた木の札のついた鍵を受け取り、自分の借りた部屋へと足を進める


302号室に入ると、窓がひとつとベッドだけの狭い部屋だった

成り立ての冒険者などが泊まる宿だ

贅沢を言ってはいけない⋯⋯

部屋につき、ドアを閉めるなり電話がなる


──電話ができる相手は一人しかいない


「もう寝たいのに⋯⋯」


僕は渋々スマホ画面の緑のボタンを押した

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