俺たち鉄警隊

ポストーク

第1話 ポラリス社長

廊下を歩く3人組。

「…しかし、ポラリス執行員。

 我々はどうなっちゃうん

 でしょうかね?

 やっぱりクビかなぁ。

 ミド3機全部壊したしなぁ。」

「クビにはならんよ。

 カイシャってのは

 そういうフウにデキてんのさ。

 ぶっ飛んだバカなら

 一発解雇かもだけどな。」

「ふん、また別のトコに

 派遣ってカンジかい。

 立川がいなくなったから

 儲かりそうにもナイけどなぁ。」

「ま、考えてもしかたないさ。

 上の言う通りなんだから。

 さ、社長室前だ。

 お前らここで待ってな。」

「りょーかい。」

バタン。

ポラリスが雑に入室していった。

「暇だな。外でも見るか。

 ってなんか窓が盛大に

 割れてるな。」

「フキツですねぇ。」


ポラリスが目にしたのは、

社長と言うには

あまりに幼い、

少年だった。

「おい、ガキんちょ。

 そこ座ってると社長サマに

 怒られちゃうぜ?」

「いかにも、僕が、

 社長だよ。ポラリス執行員。」

「…おぉ。

 すごい時代に産まれちまったな。」

「僕は品川前社長の息子。

 いわゆる二世ってやつさ。」

「げげ、あの品川の。

 (また夢がどうとか言って

  ヘンなとこにトばすんじゃ

  ないだろうな…)」

「…父の夢である地球鉄道を継いだ

 僕は…


ああ、始まった。

親子ってこんな似るもんなのか?

夢物語を語りやがって。

そのしわ寄せは全部俺たち

戦闘員が持つコトになってんだ。


 …聞いてた?」 

「えぇ。聞いていましたよ。

 それで、俺たちのお仕事は

 なんでしょう?」

「…我々は海外へロボット兵力を

 派遣することになった。」

「げぇっ!?かいがい!?」

「その道中でも小回りが

 効くように子会社として…


あぁ、最低だ。

海外。偏向報道だらけの

テレビ見てたってわかる。

ありゃあ地獄だ。

生きては帰れない。

俺たちまとめて砂漠の砂だ。


 …ポラリス君、

 君を、

 <>とすることに決定した。」

「…え?」

5秒間の沈黙。

「…しゃちょーっ!?」

「…そうさ、社長さ。

 会社名は、

 <鉄道路線近辺市警隊代行受託会社(株)てつどうろせんきんぺんだいこうじゅたくがいしゃかっこかぶ>だ。」

「…なんつった?…しゃりましたか?」

「…略して<鉄警隊てっけいたい>だ。

 設立、就任は本日より。

 では。ご武運を。」


バタン!

「どうでした、ポラリス執行

 …うわっ。」

ポラリスがメラクとドゥーベの

肩に手を回す。

「オレはもう執行員じゃない。

 <社長>さ!」

7秒間の沈黙。

「えぇーっ!?

 しゃちょぉーっ!?」

「そうだ!社長だ!

 今日はオレがおごってやる。

 今から社長って呼ぶんだぞ?」

「ハイ!シャチョー!」

「…うぃ、しゃちょー。」

メラク、いやな予感。

「なぁにドンヨリしてんだ

 メラク!荷が重いか?

 オレたちの会社なんだぜ?

 お前も重役らしいしな!」

メラク、もっといやな予感。

「ささ、

 パーッと行こうぜ!?」

廊下を歩く3人組。

この日から、

彼らの、新たな戦いが、

始まる。

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