波動③

 過去において波動は鉄球を操る所で終わっていたかも知れない。だが現代ではその先が存在している。機兵の操作、これが今における波動の最終段階だ。


 機兵は何もしなければタダの巨大な鉄の人形でしかない。しかし鉄球の回転、波動のエネルギーを原動とすれば、その鉄人形を自由に操る事ができる。


 機兵の構造に重要なのは、心臓部の二メートル大の鉄球。そして全体のフォルムを曲線で描く事。角張過ぎると波動が乱れてしまうからである。


 操縦にはコックピットで二つの鉄球を挿入し、それを駆使する事で機兵を動かす。この時入れる鉄球の形状によって能力を付与する事ができる。


 機兵を操る上で大事なのは、自然への敬意である。


 どんなに大きくなろうと、複雑になろうとも、全ての根元は自然の流れを理解する事で波動を、力を得ている。


 その自然に敬意を忘れ、己が支配していると思っては決してならない。

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並行世界の記述(あるいは回顧) 坂口航 @K1a3r13f3b4h3k7d2k3d2

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