お仕事&恋愛ものとして出色の出来!

主人公の大石菜花は、崖っぷち派遣&ヤラミソの30歳で卑屈なところも多く、結婚したいという割には勘違い暴走&自分から行動しないタイプと、なかなか褒める部分が少ない女の子です。

派遣先のアカツキビールの社員や、誘われた合コンのメンバーたちも性格に難アリの人が多く、ほのぼの話というよりは、現実よりもちょっとハードモードです。

しかし、菜花が縁結びの神社と思って通いつめていた神社の人たちと、ある出来事を境に知り合ってからは、人との縁が菜花を強くしていくのがよくわかり、小説後半ではいつの間にか菜花を応援していました。

恋愛に関してはもちろんのこと、新商品開発の話や会社内の権力争いなども現実味があり、また、ときおり挟まれるグルメ話も魅力的です。

綺麗に余韻を残して終了してくれたことも好印象で、これが長編現代ドラマを書くのが初めてとは思えないほど出色の出来だと思います。

是非、ご一読をおススメします!

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