救われない終わり


刃血滅手之泥刀。


あんな思い出、もう要らない。覇気を手刀に纏って衛兵を薙ぎ倒す。


「ギャァァ!」




痕厄指輪。


衛兵が数人、何かに縛られた様に動きが止まる。


あんな指輪、もう無い。




武露砲頭。


痕厄指輪で動けない人間を投げ飛ばす。


あの時、何を言ったかなんて忘れたわ。


『ウワァァ!』






殴る、蹴る、突く、投げる、叩く……衛兵があっという間に静かになった。














「解った、僕が悪かった、やり直そう、君と僕の二人で。」


あの人が狼狽えながらそう言った。


もう、貴方の言葉は聞こえない。


嘘に酔うのはもうお仕舞。










破苦










最早抱きしめる相手は居ない。何かを抱きしめようと思っても手が虚しく虚を抱きしめるだけ。


婚約覇気を纏った幻想のハグの手を一万回。あの人に全方位から浴びせかけた。












「アァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!」






















この続き?


そんなモノ、在る訳が無いでしょう?


私の祖国?


そんなモノもう無いわ。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

婚約破棄された者だけが習得できてしまう婚約覇気。それを使った無敵の拳、婚約覇拳。 私はそんな世紀末伝説欲しくない!ありふれた幸せが欲しいの! 黒銘菓短編集78弾 黒銘菓(クロメイカ/kuromeika) @kuromeika

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ