鋼鉄の荒鷲

第1話

1945年4月6日からどれくらいの月日が経つのだろう……。私の身体はバラバラに散り身体には黒く焦げた後や機銃により打ち砕かれた私の死骸が虚しく落ちている。

ただ一回、私の願いが叶うなら、もう一度だけでも良い人を殺す為に飛ぶのではなく、無限に広がる大空をひたすらに飛びたいエンジンが壊れるまで全力疾走で駆けて行きたい。

私は零式艦上戦闘機21型、沖縄諸島近海で眠る、殺人兵器のガラクタだ……。