タイトルが作品を表さないでどうするのでしょう?
タイトルをつけるのって本文以上に大変ですよね。
ところでタイトルってどのタイミングでつけますか?
今回はそんな話をしようと思います。
創作を始めた頃はタイトルを最初に決めていたかもしれません。
もちろん、
「ハチャメチャ戦記」だの「アングリードラゴン」だの「道が教えてくれた」だの……まぁ、今もあんまり変わってないか。
戦争を扱っていないファンタジーコメディに「ハチャメチャ戦記」なんてつけるセンスがもう80'sオタク感モリモリすぎて黒歴史どころじゃあありません。
そんな恥ずかしい作品の内容なんかはおいといて、タイトル先行で書いていた頃、専門学校で課題として提出したシナリオに対して講師が指摘したのが
「タイトルと中身が合っていない」
でした。
学校の課題は当たり前ですがだいたいにおいて短編です。
十分から十五分ほどのドラマシナリオ(映像世界では一般的に
以降、短編は書き上げてから、少なくともプロットが完成するまでは仮タイトルもつけなくなったのです。
しかしですよ、短編(短編の定義はさまざまですが、小説の場合一般的に四百字詰め原稿用紙で十枚から百枚くらいで完結するものを指すと言われている)ならいいですけどね、長編だと「どのタイミングでタイトルつければいいんだ?」問題は当然ついて回ります。
連続ドラマや連載小説を無題で発表するなんて今の時代にできるわけがありません。
web投稿サイトなんて、タイトルがないと保存さえできませんからね(ちなみにこのエッセイご飯休憩のために「保存用仮タイトル」という名で保存しました)。
完成してからタイトルつけるなんてやったらそもそも発表ができなくなるに違いない。
そんなわけで長編の場合はタイトルをつけるタイミングが短編とは違います。
じゃあどのタイミングでつけているかと言えば、まぁ結構作品ごとに違うという身も蓋もない状況です。
例えば「ミクロンダンジョン 近未来非合法冒険活劇 少女救出篇 https://kakuyomu.jp/works/1177354054884577191 」は当初本篇「始まりの迷宮」部分のみの短編小説として「ミクロン」のタイトルを付けました。
長編小説としてweb投稿することにした段階で「ミクロン」というタイトルではなんのことやら判らないなと思ったので「ミクロンダンジョン」と改題の上で執筆を始めました。
その後、web投稿の特性を考慮して「近未来非合法冒険活劇 ミクロンダンジョン」に。
物語が進み、終わらせ方を検討する段になって主題が陰謀をくじくことではなくヒロインを救うことであり、彼女を救い出すところで終わることにする(最初のプロットには「同時に陰謀をくじいて大団円」と書かれていた。……ムリだよ)と決断をした段階でタイトルを再検討、完結を機に現在のタイトルに変更しています。
また「僕だってチートがあれば苦労なんてしていない https://kakuyomu.jp/works/1177354054889018087 」は導入部分を考えた段階でweb小説の流行りにのって今より長文のタイトルを考えていましたが、どうしてもあらすじタイトルに納得いかなかったので少し細かい設定と物語の方向性を詰めた後、主人公にチート能力を与えないという作品コンセプトとその結果として「力業では問題を解決させないぞ」というテーマを込めて現在のタイトルを決めました。
「ゲーム中にモニターに吸い込まれたら異世界を冒険するハメになった https://kakuyomu.jp/works/1177354054891868749 」は完全にタイトルありきの作品です。
「ゲームの世界って言ってもいろいろあるよね。WizardryとかHYDLIDEとかさ。小説だといつもVRMMORPGだけど」
ってのが出発点で、RPGの進化の歴史的を辿るように冒険する話にしようという発想のもと、それらのゲームすべてを内包するキャッチーでメタ的なタイトルとして考えました。
ネタとしてはほとんど出オチみたいなものです。
タイトルを考えてからどんな種類のゲーム世界にしようかと考え、文庫一冊分の分量で完結させることを前提にプロットを逆算で考えています。
さて、作品タイトルはこんな感じで考えていますが、最後にサブタイトルの話をしましょう。
ミクロンダンジョンは構想段階ではweb投稿を前提にしていなかったのもあってプロットの段階で章立てられたままに書き進めました。
webに投稿するにあたって区切りのいいところでヒキを作って次話につなげてはいますがそれ以上の意図がないので各話にタイトルがついていません。
これは読者に不親切だと思ったので、以降web投稿読者が読みやすいと言われる文字数として一話あたり四百字詰め原稿用紙で十枚を目安に書くことと、各話のサブタイトルをつけるようにしています。
そのサブタイトルは、本文を書き終わった後で本文を読み直して(校正を兼ねてます)ある程度くだけた表現かつどんな話になるかを想像できるように付けているつもりです。
井戸に向かって独り言 結城慎二 @hTony
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