第5話 マトリョーシカの地球空洞説。タイムマシンの中で明かされる全貌談
地球の中にはマントルや核が「密」になっている。
だが、それはあくまで憶測でしかない。
ツルハシの世界技術レベルでは、核までの深い地層には到達していない。
そして、「密」であることは嘘だったのである。
「地球の中身は空洞になってるの。そして、その中に地球が入っているのよ」
「なんやて!? 地球の中に地球!?」
「更にその地球の中にも地球が作られ、私達の住む地球は新しい地球へと脱皮をしながら成長するのよ」
地球は「密」ではなく「空」であった。
そして、生き物のように成長し古い外皮を脱いで成長する。
卵の中から卵が産まれる様に、地球の中から地球は産まれる。
それがこの世界の仕組みであることをシャベルから教えてもらった。
「なるほど! 何やマトリョーシカみたいなもんやな」
「まとりょーしか?」
「外国の人形や。人形が元から2つに割れとって、開けると一回り小さな同じ人形が入っているんや」
「何よそれ……凄く狂気じみてる物を想像したわ」
「いや、そんなグロいもんちゃうで。シャベルの想像を180度変えた物や。可愛い人形さんやな」
笑うツルハシは、一通りの話を聞いて頷き納得する。
「なんとなく想像ついたわ。つまりあの空が割れたのは、ワイがいた地球の外側が割れたんやな」
「そうよ。小さいおつむの貴方でも、理解したようね。流石この私の天才IQ! もっと私を敬いなさい!」
「そんで、シャベルちゃんはタイムマシンを作りにワイの地球まで落ちて来たんか?」
「そうよ! タイムマシンを使えば時間を逆行させて地球の外装を修復出来ると考えたのよ! 天才的でしょ! でも本当はもっと早くに作れたはずだったんだけどね……」
シャベルは溜め息を漏らした。
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