第4話 気づいたらタイムマシンの中にいて訳がわからないが、地球空洞説によって更に訳がわからなくなる

「……ん?」


 ツルハシが目を覚まし起き上がる。

 そこは、シャベルと共に作成したタイムマシンの中にいた。

 導線や電子基板にペダルやタイヤなど、チグハグな船内を見渡すと、タイムマシンの操縦席にシャベルがいた。

 操縦は彼女が行っているようで、フロントガラスの向こうには空間が歪み様々な色へと変わっていく不可思議な世界が広がっていた。


「な、なんねんここ!? ワイは死んでしもうたんか!? ここは天国か!?」

「わ!? もおー! 起きたなら言いなさいよ! 今光の速さを超えて飛んで時空を走ってるのよ」

「やっぱりここはタイムマシンなんやな! それにしても何でワイがタイムマシンに乗ってるんや? つか、あの男達はどこや! ワイを撃ち殺した奴出てこんかい!」

「落ち着きなさいよ! 低脳な貴方にしっかり教えてあげるからそこに座りなさい!」


 シャベルがツルハシに説明する。

 あの時、男達が持っていた銃はスタンガンだった様で、庇って気絶したツルハシをシャベルがタイムマシンの中へ運び逃げるように飛び立ったようだ。


「ほんま助かったわー、ありがとうなシャベルちゃん」

「その名前は止めて。別にこれは借りを返しただけだから。アンタの為じゃなくて私の地球を救う為よ」


 運転をしながらシャベルは呟く。


「……貴方達の世界では、地球空洞説の教育は受けていないの?」

「ん? 地球空洞? 何やそれ?」

「なるほどね。貴方のその間抜けな反応と、さっきの政府の犬達の言動から察するに、貴方の政府機関は世界構造に情報規制をかけているのね。文明レベルが低いのも納得だわ」

「何言っとるかわからんけど、馬鹿にされたのだけはわかったわ」

「しょうがないわね。これも何かの縁、基本的なこと教えて上げるわ」


 シャベルは説明を話し始めた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る