第5話 オウギトセオイナゲ
隊長が剣を抜き、激昂している。
これから殺陣のシーンか?
オレは素手だけどいいのか?
まあやれというならやるだけだ。
「いくぞ!はあっ!!」
ビュン!!
速い。
なるほど、女だてらに騎士を選ぶだけあって、役になりきっているわけだな。
素早い攻撃でどんどん剣を振り回し攻撃してくる。反撃するのはまずいんだろうな、さてどうするか。
どうしたらカットの声が掛かるのか。
一番画面映えするのは、、あれだな。
〜女騎士〜
はああああっ!!
おかしい、剣が当たらないわ、見切られているのかしら?
あり得ない、[音速剣]の攻撃は見切れたものは居らず敵無しだった我が自慢の剣だぞ、それをこのまま目の前の男はいとも容易く、、、。
もしかしたら本当に、あの大量の魔物達を倒したのかもしれない、だがなおさら危険かどうかを見極めねばならないの。
そのためにはこれを試すしかない、「もしも」の時は貴重だが再生薬を使って治療してやればいいわ。私は王国の剣なのだから。
いくぞ、、奥義!光速剣!!!
どう?我が光速剣は!!あらゆる速さを越えた一撃必中にして必殺の技。これを喰らって生きているものはいないわ。あの大魔王ですら屠れる自信があるのよ!
部下たちが土煙でゲホゲホと蒸せている、、いかん、、やりすぎたかしら?
、、土煙が晴れてきて視界が良くなってくる。
そこには悠然と立ち尽くす、あの男がいた。
ううう、うそよ、私の、王国最強の剣が、、、。
「終わりか?」
男はそういうと目の前からフッと消えた。
そして私の目の前にいきなり表れた、どういうこと?全くみえなかったけど、、。
男が私と目を合わせニコリと微笑む。
よく見ると長身で端正な顔立ちだ、目鼻立ちはくっきりとした黒髪、焦げ茶の瞳、体格もしなやかな筋肉が動きの邪魔にならないような理想的なバランスでついているのがわかる、細身に見えるが着痩せするタイプだろう。
男はニコリと微笑むと私も思わず反射的に微笑む。女性としてある意味自然な行動だ。特に騎士社会にいる私にとっては。
そして男は私の腕を掴み
ぐるんッ!!!
「、、えっ?」
私の天地が逆転し背中に強い痛みが襲う、そして私の意識は遠くなっていった、、、い、一体何が、、。
「大丈夫か?受け身を取るものと期待したんだが、、」
男は女騎士に反応できないほどの速さで背負い投げをかましたのだった。
オクリビト「世界を救うのは敏腕トレーダー(33)」 オプス @opupusu
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。オクリビト「世界を救うのは敏腕トレーダー(33)」 の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます