斬新な解決法
「変態!」
怪人が叫ぶ。
ド正論!
「怪人、あなたの言う事は最も。
でも、だからと言って全国の家族の為に働くお父さん達を穢す(ゾクゾク)真似は止めなさい!」
見られて興奮する挙句言葉にまで興奮する度し難い変態怪人が現れた。
さっき迄暴れていた怪人がドン退きのあまり冷静になっている。
「服を着ろ!服を!
お前こそ!こんな往来の真ん中で人の尊厳を踏みにじるような恰好は止めろ!
両親を悲しませるな!
未だお前には未来が有るんだ。
若気の至りにしても止めなさい。」
怪人の台詞じゃない!
さっき迄暴れていた着ぐるみが今や人類の尊厳を守るヒーローみたいになっている。
「心配しないで!この格好は子どもの頃に見た両親の格好からインスピレーションを得たわ!
それに、私は決して後悔しない。
今の自分に誇りを持って、
明日の自分に誇れるように、
私はそうして生きている!」
後半部分、文だけ聞いていれば良い話だけどスタ痴女が言うと説得力が無い。
「本当、頼むから止めてくれ!この通りだ。
何でもするから兎に角服を着て!そして帰って!」
栗鼠虎さんが頭を下げ始めた。
アンタ……良い人だ。
「あなたが暴れる限り私は止めな『解った暴れるのは止める!だから解散!
俺は今から狂暴化した農作物を狩る農家にジョブチェンジするから。許して!』
最後の心の叫びが木霊した。
「悪は消え去った。では、私はこれで。」
鞭を器用に使って立体機動をしながら去っていった。
これが現代。
痴女に救われる現代だ。
最後に、一つ言いたい。
「スタイリッシュな痴女に救われるような世界なら……滅びろ!こんな世界!」
スタイリッシュ痴女に救われるくらいなら滅びろ!こんな世界! 黒銘菓短編集17弾 黒銘菓(クロメイカ/kuromeika) @kuromeika
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます