迷宮のルーチェ 特別編

PREラッシュ(活動休止中)

紫色の雲

ミー君に恋い焦がれてたあたしは本当に恋する乙女だった。

「俺が磯崎ミキオです」

「石河由紀乃です」

はじめて見たミー君は誰から見ても好青年という感じだった。

この人モテるんだ。

「磯崎は良い男だよー。あたしが保証する!」

陽気な女の先輩があたしに言う。

「由紀乃、もしかして今まで彼氏いなかった?」

「黒歴史ですから‥」

お昼は博多ラーメンを食べた。

お昼時にあたしとミー君は喧嘩した。

「本場の博多ラーメンが食える店ならあっちがいいだろ」

「あたしはこの店がいいの!」

本場福岡の味!博多ラーメンと看板にはあったはずだが‥。

お前、マジで本場の味知ってんのかよとミー君から怒られた。

博多ラーメンなんてみんな同じじゃないとあたしはミー君に言った。



ミー君とハピネスランドでデートした。ハピネスランドは去年開園したばかりの遊園地だ。一緒にコーヒーカップに乗ったり、ジェットコースターに乗ったりもした。

ミー君が高所恐怖症なのも分かった。

「乗り物酔いとかミー君はするんですかね‥?」

あたしはミー君に聞く。

「は?やらねーよ。由紀乃は?」

「昔はやったな。今はへっちゃら〜」

「お前、コーヒーカップ乗って酔いそうだったじゃん」

あたしとミー君は互いに笑う。

楽しいな。ずっとこんな時間が続けばいいのに。


「コンドームと使い捨てライターは買ったな。それから‥」

ミー君はコンビニで購入したコンドームと使い捨てライターを袋から出す。

「使用済みとかマジ勘弁〜」

あたしはミー君に拗ねてみる。

「由紀乃ははじめてか‥?」

「うん」

あたしは今まで男の人と寝た経験がない。ミー君も童貞である。


ミー君はあたしの髪に頬に顎に触れる。

「由紀乃‥」

ミー君とあたしはひとつになった。

肌と肌が触れ合う感触。

セックスという名の享楽。

あたしたちはずっとずっと一緒だ。

あたしの乳房に肩にミー君のキスが降り注ぐ。



朝になり、目を覚ます。

あたしは自分が裸でいる事に気づく。

隣にはミー君が寝ていた。

互いに裸だ。

あたしは裸足でキッチンまで歩く。

2人が住んで1年が経つ。

あたしとミー君だけの特別な空間。

これからも2人はずっと一緒だ。







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