透明で空虚な世界の底に流れるものは

 高校を卒業したら、物語の『キャラクター』として生きていかなければならない世界。けれど、みんながみんな作者(かみさま)に選ばれるわけではない。では、選ばれなかった者はどこへ行く……?

 透明感と空虚感。ふんわりとした不思議な空気に包まれていますが、その底にあるものは諦めと絶望と悲痛な叫び。重めのテーマもユニークな語り口と登場人物たちのおかげでするりと心に入ってきます。ぜひ読んでみてください。

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