僕と千影と時々オバケ

作者 姫乃 只紫

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★★★ Excellent!!!

少年と少女が、自身の前に現れる妖怪たちと協力して立ち向かっていくお話です。
複数話にわかれているのですが、最初から読んだほうがわかりやすいかなと思います。突然風呂場に巨大なカエルがいたという話が私はお気に入りで、童話のエピソードを挟んでいるためとても読みやすかったです。二人の会話やパイプユニッシュ(読んでいただければわかります)のところは思わずくすっと笑ってしまいました。気軽に読めるコミカルな妖怪ホラーだと思いました。

★★★ Excellent!!!

 普段はもの静かで穏やかな人が、突然可笑しなことを口走ると、道化師がやった時よりも数段面白いですよね。この小説で誘われる笑いは、常にそれです。
 穏やかで知的な、上品な語り口。そこから何の兆しもなく飛び出す突破なギャグ。電車の中で数度吹き出しました。どうしてくれるんですか。

 あと、これは主観ですが、語り手のト書きの文には、どこか古めかしい、和風な趣を感じます。しかしそれが示す情景を直訳してみると、現代としか考えられない……このギャップがとても独特で、この小説の個性のような気がします。とても好きです。

 この小説が書店に並ぶ日を待っています。トイレのジジイが扉絵であって欲しいです。

★★★ Excellent!!!

この作品にたどり着いた自分を、読むたびに誉めています。私、よくやった。


まず一話開いていただければすぐにわかると思うんですが、とにかく地の文が上品。ジジイを連呼しても上品。そして、すごく読み心地がよくて、さらに笑いどころがあちらにもこちらにも。

怪異が視えてしまう主人公の前に、トイレからにょっきり生えたジジイ。これだけで面白いのに、まだまだ出てきます。狐とか、王子とか、トリとか。(ここにトリを並べていいものか)

主人公とその彼女の千景さん。視えない彼女は怪異についての知識が豊富。主人公を上手にリードしているようで、ほっこりほっこり温かな話は、けれど、じわじわと雲行きが怪しくなっていきます。

作中五話にあたる『僕と千暁と……』の辺りで作品タイトルが化けるという怪異の目撃者となった私は、これからここにたどり着く読者様に僅かな優越感を抱きつつ、贈る言葉はひとつです。


最高に面白いですよ。

★★★ Excellent!!!

 面白いんですよね……。読むたびになんて良質なエンタメなんだろうと思うんです。うまく言えないんですが、小説を書く時僕とかは作品の中に余計な「我」が出ちゃったりするんですけど、この作品はそこがすごく抑制されているというか、読者を楽しませるために全力投球しているという印象なんです。

 文章の巧みさは言を俟たず。各話読み始め数行で「読んで良かった」ってなります。キャラもいいんですよね。最強の(?)コメディリリーフトイレの神様ことジジイが人気を集めていますが、僕は王子とトリを推します。

 そう、コメディですけど、かといってゆるふわのまま続くかといえば決してそうでないです。ゾクッとさせる展開がいくつもあるんです。つまり怪異譚としても優れていて……って褒めるとキリがない!

 とにかく1話目だけでも読んでください(1話読むだけでは終わらないであろう)。おすすめです。