これを愛と呼ばずして何と呼ぶ

　幼い頃、大好きなアニメに胸を熱くして見入っていた人は少なくないことだろう。だが、大人になってからそのアニメを語る際に、胸アツ感まで正確に再現して相手に伝えることは、案外難しかったりする。
　それを文章でやりとげたのがコチラ。実は当レビュー筆者は、「闘士ゴーディアン」について、（転居や地方局の関係もあったのだろうが）数話しか見たことがなく、「マトリョーシカみたいに、ロボットの中に次々入っていくんだよね？」くらいしか覚えていなくて、ストーリーすら正確に知らなかった。……はずなのに、本作拝読して「うわあ、懐かしい！」と叫んでしまった。ストーリーばかりか登場キャラクターの一挙手一投足まで見えてくる全話解説。アニメ制作の裏側にも居合わせていたのようなこぼれ話。当時の玩具やグッズのブームから、現代への余波まで。ところどころのツッコミはもはや愛情そのもの。当時ほとんど放送を見たことがなかったはずの当レビュー筆者が、７割方くらいは見たことがありそうな錯覚をしてしまった、熱意と愛情あふれまくりのゴーディアン評論。幼い頃の胸アツ感が劇的によみがえる。