この人の息が、声が、私を火照らせる。


他の男とどう違うのか、自分でもわからない。


ああ、そうだ。

あの時かもしれない、初めて惹かれたのは。


「もと~ここ来るの久々じゃん」

「だな。久しぶりだわ」

「お前、彼女いたんだろ?もう別れた?」

「あ、うん、別れた」

「紹介したるわ」

「おお、たのむわ~」


毎日夜になったらここに来てた。

ここに来て、この人とヤる。

最近は、この人の友達ともヤッた。

今日は‘もと‘って人とヤるんだな~と思った。


この人は私を‘もと‘と呼ばれる人に紹介した。

‘もと‘と呼ばれる人は、私を見て言った。

「いいや。紹介はいらない」と。

その日、みんなお酒を飲んでた。

他の中学校の女の子も何人かいた。


私は、急に具合が悪くなり、帰ろうと外に出た。

もちろん、止められなかった。

でも、1人後ろについてくる人がいた。

‘もと‘と呼ばれる人。

今日、私を紹介されたが断った人だ。


「一応、帰るの見てるよ」

「いいです」

「もう、やめなよ。あそこ行くのも、あいつと関わるのも」

「そうですね」

「ほんとに思ってんのかよ、俺はまじで言ってるよ」

「関係ないのに」

「まあな。でも、少し心配になったんだよ、一瞬だけどな」

「なんですかそれ」

「お前が生意気言うからもう勝手にしろ」



初めて心配されて嬉しかったんだ。あの時。

あの後、それが、美宇の兄だったと知ったんだった。

それから美宇の家に遊びに行くようになった。


もと先輩は、なにもなかったかのように接してくれるんだから。


いろんな人とセックスして、回されて、いろんな噂がある中で、

もと先輩は、そんな私に唯一、やめろと言い、心配だとも言った。



結局、その人たちとは関わらないようにはなり、一時期セックスもしなかった。


でもいつしか、また他の人達とセックスをするようになってた。



あなたがしてくれないから、、、。


だけど、絶対にしたくない相手だ。


1番したいのに、1番できない、あなた。



そう思いながら、

今日教室で美宇を待ってた時に声かけられた男のところに、向かう。



ああ、おわんねぇ、一生おわんねぇ。


この欲を満たし終えるまで、多分、おわんねえ。



THE END。



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それでいて、すき。 minamin.E @mnam

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