桐朋短大に通う真智子と芸大に通う慎一の音楽に溢れる日々を綴った物語です。二人は婚約し、同棲しています。
(始まりが気になる方は、「序曲プレリュードfrom season to season」(エブリスタ小説大賞2018 TO ブックス大賞、優秀作品。 エブリスタ小説大賞2019光文社キャラクター文庫大賞、優秀作品)から是非、お読み下さい。)
練習風景やコンサートの緊張感、友人達との関係、将来への不安など一つ一つの出来事が丁寧に描かれており、全体として優しい印象の作品です。
私はクラッシック曲に詳しくないですが、曲の形容が巧みで雰囲気を感じ取れました。楽曲が数多く紹介されていますので、気になる曲を動画でチェックしてみたら世界が広がりました。
是非、読んで見てください!
癒やされること間違いなしです。
作者様の完結作『序曲 プレリュード from season to season』の続編です。
序曲では高校生だった慎一と真智子が、それぞれの進路を決めて大学生になりました。二人は互いを想い合って同棲しています。その生活は確かな精神愛で清らかに結び付いています。
居間には慎一の母の形見のグランドピアノ。
二人の生活の中心にピアノがあります。
音大の課題、アンサンブルの練習など、細かな点まで描写の行き届いたピアニズム。二人を巡る人物たちにも動きがあり、大学生活は鮮やかに展開します。
『ピアニズム—Life with piano—』……タイトルに相応の「音」が聴こえる世界です。音楽を通して広がってゆく人間関係と活躍の舞台。
『序曲 プレリュード from season to season』の瑞々しさを残しつつ、少しだけ大人になった慎一と真智子の『愛の夢』は名盤です。
連載中の物語に、どのように終止和音が置かれるのか、聴いていたい名盤です。