お家でゆったり過ごしたい人のためのコーヒーに合うレシピ

桂木 狛

お家でゆったり過ごしたい人のためのコーヒーに合うレシピ

 今日は朝からお家のお片付け。一気に掃除機をかけて、クローゼットの中を整理します。


 掃除機は今年になってからコードレスのものに買い替えました。ずっと基本的にずっと充電スタンドの上に乗せて置くものなので邪魔にならないかと思ったりもしましたが、実際に買ってみるとそんなことよりもコードが無いことの快適さが素晴らしすぎてどうでもよくなってしまいました。


 リビング、キッチン、トイレ、脱衣所。一人暮らしなのでそんなに広くはありませんが、それでもわざわざコンセントを抜いたり差したりしなくていいというのは快適です。


 快適ついでに今度はクローゼットを開けてみます。


「おお、中々ですね」


 毎日見ているはずなのに、こうして掃除する場所として見ると思った以上に散らかっていることが分かります。これは久しぶりに気合を入れて臨まなくては。中の洋服を出してはたたみ、畳んでは積み上げて並べていきます。


 そんなことをどれくらいの時間していたのでしょう。ふと時計を見るともうお昼過ぎ。作業に没頭していると時間はあっという間です。


「なんだかお腹が空いてきた」


 不思議なことにさっきまでは何ともなかったお腹が音を立てて空腹を訴えます。どうして時計を見た途端お腹はぺこぺこになるのでしょう。料理が出来てからぺこぺこになってくれたらいいのに。


 仕方ない。あとひと踏ん張りして早速料理に取り掛かるとしましょう。クローゼットもそれなりに綺麗になったので、今度は美味しいものを食べなくては。


「しかし、なにを作りましょうかねえ」


 冷蔵庫を開けてもそんなに色々なものはありません。あるのは解凍したひき肉と、昨日の残りの冷ご飯、そしてタマネギくらい。あとトマトジュースもあります。


 いやいや、わが家にしてはそれなりにある方かもしれません。日によっては炭酸水とチーズくらいしか入っていないときもあるくらいですから。


 それに幸い我が家にはそれなりに調味料があります。これだけあればきっとお腹は満たされるでしょう。


「よし、決めた」


 お昼の目途が立ちました。それではまずはタマネギを切って切って切りまくりましょう。


 トントントントン、ついでにフライパンを火にかけます。


 まずはバターをじっくり溶かしましょう。焦がしてしまわないように慎重に。


 溶けたところでタマネギを投入。バターとタマネギが絡んだら火をちょっと強くしてもっとタマネギを温めていきます。


 じゅーっ、じゅーっ。


 どうして何かを炒めているときの音はこんなに気持ちが良いんでしょう。人は大昔から野菜を炒め続けてきたのでしょうか。


「よし、良い感じ」


 タマネギが綺麗な飴色にコーティングされました。思わず笑みがこぼれてしまいます。


 もうすっかり水分がなくなったところでカレーパウダーを投入。そうです、今日のお昼はカレーなのです。それも私の大好きなキーマカレー。朝から掃除を頑張ったから好きなものを食べなくちゃね。


 カレーパウダーをささっと加熱してあげると益々香ばしい匂いがキッチンに広がっていきます。えっ、掃除をした後にカレーの匂いを充満させていいのかって? それとこれとは別の話。さっきは掃除がしたかったけれど、今はカレーが食べたいのです。


「なーっ」


 あらあら。今日は大人しくしていたかと思えば、猫のモネさんがどこからかやってきました。きっとおいしそうなカレーの匂いにつられてやってきたのでしょう。


 でもね、モネさんには悪いけどこれは食べさせられないの。いくらカレー色にコーティングされたところでタマネギはタマネギなんですから。


「あとでモネさんのご馳走も用意してあげますからねー」


 モネさんは無言で私のふくらはぎに掴まっています。朝からあんまり姿を見ないと思ったら、急に人肌恋しくなったのかな。実は私も君の肉球が恋しかったよ、モネさん。


 モネさんに気を取られながらも料理はどんどん進めていきます。次はいよいよひき肉を投入。じゅーじゅー音がより華やかになっていきます。


 キーマカレーのひき肉はあんまり焼きすぎるとボロボロになって美味しくないので、ほどほどが大事。お肉の脂が飛んでしっかり火が通るまで弱めの中火でゆっくりを温めていきます。


 玉ねぎはパラパラ、ひき肉はちょっとふっくら。良い感じに色が変わってきたらトマトジュースで煮込んでいきます。


 トマトジュースはひき肉がちょっと浸る程度に。トマト缶でもいいのですが、トマトジュースの方が保存が楽なので気に入って使っています。


「こうするとコクが出るんですよねー」


「なー」


 モネさんも相槌を打ってくれています。


 トマトジュースはカラダに良いけれど、どうしてもそのまま飲み続けるのは続きません。ついつい薬のように飲んでしまいます。


 でも折角なら美味しく食べてしまった方がいいので、私はトマトジュースをお料理に使うことにしています。トマトピューレとかを買って来るより安く済むし。


 さてさて、ひき肉をひたひたにしていたトマトジュースの水分が良い感じに飛んできました。カレーパウダーと混ざって丁度いいくらいのとろとろになっています。うん、絶対美味しい。匂いも見た目も食欲をそそられます。


「ま、こんなもんかな」


 とろとろまろやかになってカレーのルーらしくなったところで火を止めます。もっと手の込んだカレーも世の中にはいっぱいあるけれど、お家ごはんは簡単なのが一番。凝り過ぎたあまり面倒になって料理が嫌いになっちゃうくらいなら、手軽に美味しいものを気ままに作っている方が幸せな気がするのです。


 ではでは、ルーができたところでお皿にご飯を盛りつけましょう。今日は試しにスーパーで見かけた五穀米の素を使ってみたので、ちょっと赤紫のご飯になっています。


 ちなみにこの五穀米の素、ご飯を炊くときにお米と一緒に入れるだけで五穀ご飯が出来上がるという優れもの。食物繊維は多いし、少なめのご飯でもお腹いっぱいになったりといいことづくめです。


 盛り付けたご飯のうえにルーを乗せて、最後に仕上げのパセリをパラり。キーマカレーの出来上がりです。


「もちろん、モネさんのご馳走も」


 モネさんのランチは昨日もらった缶詰。なんでも猫用の特製ツナ缶だそうで、人間が食べるものよりもずっと高いのだそうです。


「たまにはモネさんも贅沢したいよね」


「なうにゃう」


 モネさんに膝をカリカリされながらツナ缶をぱかり。うん、なんかすごくちゃんとしてる。自分が食べてもそれなりに美味しく頂ける気がします。


「なーなー、なー!」


 なんだかテンションが上がってしまったのでしょうか。モネさんが何かを訴えてきます。


「ほらほら、モネさんも一緒に食べましょ?」


 モネさんの前にツナが載ったお皿を差し出します。なんだか王様と家来の料理人みたい。まあ、猫はいつだって王様で女王様でお姫様だもんね。


 モネさんがツナを食べ始めたのを見届けて、私もキーマカレーをパクり。うん、トマトの分量も丁度いいしちゃんと辛味も効いてる。キーマカレーはついついマイルドになり過ぎてしまうところがあるけれど、今回はカレーパウダーを多めにしてしっかり炒めたのが良かったのかな。


「にゃう」


「うん。おいしいね」


 後でコーヒー淹れようかな。なんてったって、カレーの後のコーヒーは最高ですから。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 今回はキーマカレーのつくり方をゆるーくお届けしました。


 前回の朝ごはんとコーヒーに引き続き料理関連のお話でしたが、どうだったでしょうか?


 あと何本かは料理のお話をしようかなと思っているところですが、反響があればこれからも続けていく予定です。


 どんなお話が聴きたいのかの参考にもしているので、ブクマ登録と評価をよろしくお願いします。


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