骨から分泌される若さの素、オステオカルシン

医療技術の発展によって先進国の平均寿命は毎年六ヶ月ずつ伸びていると言われています。しかしそれは平均寿命の話であり、健康寿命の話ではありません。健康寿命は平均寿命より約十年ほど低いです。健康でいつでも動ける身体でなければ優雅に生きているとは言えません。世界の平均寿命の伸び率から今現在二十代後半の俺はおそらく百歳以降まで生きる可能性が高いです。それはもちろん死ぬまでにがんや心疾患や脳卒中に罹って途中で死ななければの話、ではありますが。歳を取って骨が脆くなり、骨折などで寝たきりの状態にならないためには若い頃から運動して骨貯金をしておく必要があります。近年、骨という臓器は人体を支えるだけの硬い組織ではなく、さまざまなホルモンを分泌していることがわかっています。その中で注目されているのが、オステオカルシンという骨芽細胞が分泌するタンパク質の一種です。骨芽細胞は骨を増殖させる細胞です。オステオカルシンには記憶力向上や筋力向上、また生殖機能の向上を促進する効果があります。さらにホルモンとしての働きもしているようで、膵臓にインスリンの産生を促したり、脂肪細胞にインスリン感受性を高めるタンパク質を分泌させるように働きかけて内臓脂肪を蓄積しにくい状態にする効果もあるようです。

オステオカルシンを分泌させる方法は簡単です。骨に衝撃を加えてやればいいのです。

縄跳びやジョギングなどの運動がオススメです。注意が必要なのは自転車はあまり効果がありません。自転車は脚の骨に衝撃が加わらず、骨が太く強くなっていきません。脚の筋肉は発達しますが、骨への影響は低いです。自転車通勤の人は少し残念ですね。

ウエイトトレーニングもかなりいいようですが、ダンベルやケトルベルは部屋の空間を占領しますし、トレーニングの時間が人によってはあまり取れないでしょう。そんな人にオススメなのがアイソメトリック・トレーニングです。

手を合掌の状態で強く押します。全力の七〇%くらいで七秒程度。それを一日に五分程度スキマ時間にやると骨が太く強くなります。アイソメトリック・トレーニングは他にも種類があるので調べてみてください。ちなみにかかと落とし体操も簡単かつ短時間で済みます。かかとをつま先立ちで上げてかかとに全体重をかけて地面に落とす運動です。一日に百回程度やるといいかもしれません。キツいように感じるかもしれませんが、ジョギングや縄跳びと違い駅のホームで電車を待っている時などスキマ時間にできるから運動のために貴重な時間を割かなくていいのがメリットです。

せっかくスポーツジムと契約しても時間の都合で行けないなら無駄な出費です。短時間で簡単にできる運動から始めていきましょう。


ではまた明日。

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優雅に生きることが最大の復讐である 得道小路 @Androtest

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