秘術・異世界転生

@HasumiChouji

秘術・異世界転生

俺が通学中にスポーツカーに轢き殺されて1年が過ぎた。

異世界に転生した俺は、同じく事故死してこの世界に転生した者達と出会い、魔王を倒して、この世界に平和を取り戻した。

「でも、何か気になるんよねぇ……」

魔王を共に倒した仲間の1人である良子さんはそう言った。彼女は、俺より1月半ほど後に、この世界に転生した。俺より2つ年上で、俺と同じく交通事故死らしい。

「ボクも何か大事な事ば忘れとるような気がする……」

同じく仲間の1人である裕一も同じような事を言っている。こいつは、俺より1つ下で、俺の2ヶ月後に、この世界に転生した。こいつも同じく交通事故死だ。

……そして、残り2人の仲間も……いや、待て、何で、交通事故死ばかりなんだ??

「そう言や、みんな、日本でも、どこの出身ね??」

「えっ??」

「全員、日本人で、短期間で交通事故死ばっかりって、何か変じゃなかね??……しかも、みんな……方言まで同じじゃなかね??」


「あれ?? ウチら、今まで何の話ばしとったっけ??」

良子さんはそう言った。彼女は、俺より1月半ほど後に、この世界に転生した。俺より2つ年上の女性だ。

「魔王ば倒して、半月で、もうボクたち平和ボケしたごたるね」

裕一も同じような事を言っている。こいつは、俺より1つ下で、俺の2ヶ月後に、この世界に転生した。

「ま、平和が一番たい……」

「でも、これから、ウチら、やる事がのうなったけど、どうするね??」


私の一族の家業は、いわゆる「拝み屋」だ。

明治時代から代々、この地域の、ある世襲政治家の家系をお得意様にしている。

そして、今日も、その「お得意様」から依頼された祈祷を終えた。

「はい、御子息が轢き逃げした高校生の霊は異世界に封印いたしました。御子息が祟りに遭う事はございません……。しかし、この1年で、一体、何人目ですか??」

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