虹色 きらめきの中で

雨世界

1 ねえ、虹色って、知ってる?

 虹色 きらめきの中で


 プロローグ


 きらきらしてるね!


 本編


 ねえ、虹色って、知っている?


「虹色って、なんだかわかる?」

 カラフルはドミノにそんなことを聞いた。

「虹色? 虹色って、あの七色のいろんな色の混ざったようなあの虹色のこと?」雨上がりの空を見ていたドミノは答える。

「そう。その虹色。ねえ、その虹色はなんだと思う?」

 ドミノはカラフルの言葉に首をかしげる。

「だから虹の色でしょ? 七つの異なった色のこと」ドミノは言う。

「そうだけど、そうじゃないの。虹色っていうのはね、もっと『きらきら』しているものなの。虹色よりも、もちろん虹も綺麗だけど、もっともっときらきらしているの」

 にっこりと笑ってカラフルは言った。

「カラフルは虹、大好きじゃん」

「うん。大好き!」

 カラフルはにっこりと笑う。

「その大好きな虹色よりもずっときらきらしているの? そのカラフルの言っている『虹色』は?」

「うん。でも、それがなんなのか? 私にはまだよくわからないの」

 うーんと、真剣になにかを考えるような表情をして、カラフルは言った。

「カラフルにわからないのから、僕にもわからないよ」

 ドミノは言う。

「ドミノくんにもわからないの? あんなに頭がいいのに?」驚いた顔をしてカラフルは言う。

「学校の成績がいいこと、頭がいいことは、あんまり関係ないよ」ドミノは言う。

 カラフルはそんなドミノの言葉を聞いて、そっかー、と言った顔をした。

「じゃあさ、物知りのスマイルに虹色ってなにか、今から聞きに行こうか?」

 ドミノは言う。

 もともと、ドミノはこのあと図書室に行く予定だったから、都合がよかった。(本好きのスマイルはいつも図書室にいることが多かった)

「うん! わかった、ドミノくん!」

 すごく嬉しそうな顔でカラフルは、ドミノの手を握ってそう言った。

 そのとき、ドミノは、あっ、と思った。

 ドミノは自分の心の内側が少しだけ暖かくなるような、そんな不思議な気持ちになった。

 ドミノはなんだか、スマイルに話を聞きに行く前に、カラフルの言っている『虹色』がなんなのか、その正体(あるいは、答え)がわかったような気がした。


 二人の見ている青色の空には、綺麗な虹がかかっている。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

虹色 きらめきの中で 雨世界 @amesekai

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ