第7話 イジメは続くよ。どこまでも・・
謹慎もたった2日で終り、定時に登校すると既にいじめっ子の高橋は登校していて、こんな朝早くから絡んでくる。
一体いつまでイジメは続くんだろ。
どすッ!
「うっ!」
突如お腹に蹴りが入る。
「おい、藤城?お前何やったんだ?三年生から呼び出しが来たぞ。三年棟の屋上に来いとよ。ふ~ん、今日は三年生にもイジメられるのか?ざまぁーねぇーなぁー?」
「おっ、サンキューな、高橋、教えてくれて。」
「あ”?うるせぇーよ!」
三年棟に行こうと歩いていると催してきたので急いでトイレの個室へ入った。
「フーッ、間に合った。」
暫く開放感に浸っていた。
バシャーッ!
天井から水が降ってきた。体中水浸しだ。
「やった、やったぁ。」
「ざまーみろ。」
声が聞こえ逃げていく足音が聞こえた。
あの声はクシャトリヤ
態々男子トイレまで入って来て水かけたのか。
ご苦労さまだな。
濡れたまま出ていくのを見られて笑われるのは分かっている。
しかし、それは癪に障る。
俺は魔法で強制的に服を乾燥させる。
幸いズボンは濡れてなかったので上を乾かすだけで澄んだ。
あー、クソ、三年棟に早く行かないと・・・
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
私は東高に通っている
何故か今日、兄貴が東高に来ると言ったので一緒に登校した。
兄貴は怖い人でこの市の全ての高校を傘下に収めている高校の頭だ。
妹から見てもちょっと怖い。
「舞、三年棟はどこだ?三年棟の屋上に用があるんだ。」
「三年の屋上は恐いって聞いたよ。」
「その恐いところに用があるんだ、案内しろ。」
「わかったよ。」
兄貴を三年等の屋上へ案内する。流石に三年棟に来るのは2度めだけどプレッシャーを感じる。
階段を上がり屋上へ出ると誰もいない。
「あれ、誰もいないよ。ん?奥の方で声がするね。」
声のする方へ行くと強面の人達が屯している。兄貴で慣れてるとはいえ少し恐い。
「「「「おはようございます。」」」」
その人達が兄貴を見ると一斉に挨拶をしてきた。
「南、早かったな。何だ美人な彼女を連れてきたな。この学校の生徒じゃないか。」
「いや、妹だ。良くしてやってくれ。」
「よ、よろしくおねがいします・・・」
私は小声でお願いしてしまった。
「あー、もちろんだ。しかし電話では詳しく聞けなかったが本当か?何があったか詳しく聞かせろ。」
「それがな、花巻。俺は拳銃を撃ったんだ。たしかに腹に当たった。血が出てたんだ。それでもまるで当たらなかったかのように動けるんだぞ。」
「ほんとか?しかし、発砲したのか。酷いやつだな。」
「まぁ、聞け。それから、また数発発砲したんだ。だけどな弾が身体の手前数十センチくらいのところでまるで映画みたいに止まってパラパラっと落ちたんだ。信じられるか?」
「ま、まじか?」
「あー、本当だ。だからあの人には絶対逆らっちゃいけねぇ。逆に頼れば恐いものなしだぞ。」
「確かにな。」
なにか二人は映画の話をしているのか、本当のことを話しているのか、わからないような不思議な話をしている。
「ねぇ、兄貴。それ誰のこと?」
「この学校の新しいバラモンだ。うちの北高もバラモンの傘下に入ったんだ。それと市内全ての高校の頭が、バラモンの傘下に降ることを承諾したぞ。」
「え、バラモンが交代して新しいバラモンになったって話は本当だったの?しかも市内全高校の頭?総長?」
「交代したのは本当だけど総長じゃないぞ、舞ちゃん。でも、絶対この話は内緒な。バラモンからきつく厳命されてるからな。話したら恐いぞ。」
「おい、内緒だって言ったじゃないか。・・ってなんで南がここにいるんだよ。」
後ろに何時の間にか立っていた普通の人が突然話し始めてびっくりした。
「いいじゃねぇか、花巻も秘密を知ってるんだから。秘密を共有している者同士なら秘密を広めた訳じゃないからな。」
「いや、その女子は?」
「こいつは俺の妹だ。口は堅いよ。何だったらバラモンの女にするか?バラモンだったら許すぞ。」
「そ、そうだな。美人だし胸は大きいし・・・って、勝手に決めるな。彼女の気持ちも・モニョモニョ。」
「何だよ、はっきり言えよ。」
私は怒鳴ってしまった。何こいつ?はっきりしねぇーやつ。背は高いけど、顔もそれなりに美形だけど、兄貴みたいに強そうじゃないし、逆に弱そうだし・・・
「兄貴ぃ!勝手に話をすすめるな!あたしは包茎野郎の人身御供に差し出される気はねぇーよ。」
「南ィ?内緒だって言ったのに・・・」
「いや、言ってねぇっす。言ってねぇ。」
なぜ、兄貴が敬語で怯えてるの?
「じゃあ、私、教室に帰るから」
信じられない!
こんなやつが新しいバラモンだなんて、少し期待してたのに・・・
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「怒って帰って行っちゃったよ。ところで、ボス何話してるんだ。」
「南はこの市の高校の連合のことで来たんだよ。南、話してやれよ。」
「俺は連合の頭だったんだけどな。頭をお前に譲ることにした。一昨日、お前の下に付くって言ったんだから当然俺の下に付いている連合もお前の下に付く。もう各高校の頭に話はつけてある。」
「えー、めんどくさいよ。」
「だったら、手足となって働いてくれるものを作ればいいじゃねぇーか。名前を出すのが嫌なら他の奴にバラモンやらせて裏から仕切れば良いし。だけど、愚連隊の件もあるから名目上のバラモンでも、そいつに火の粉が飛び火するのは当然だ。だから、お前がきちんとバラモンを名乗って仕切るべきだな。まぁ、お前がバラモンだと内緒にしておいても問題はないがな。」
「やだよ。それに俺いじめられっ子だぞ。」
「そうなのか?冗談だろ。暫くやってみればいい。皆に尊敬されて気持ちいいぞ。」
「そうなのか?そうか、分かったよ。だったら、卒業するまでボスと南は手伝ってくれよな。」
「あーもちろんだ。妹の旦那の頼みは断れねぇー。」
「い、いや、たった今、嫌われたんですけど・・・」
俺は落ち込みながら教室に戻った。
「リンチだったか、親指姫?」
早速高橋が絡んできた。
「誰がだよ。」
「クシャトリヤの4人に聞いたんだよ。お前、北高で虐められて裸にされたんだってな。ここでイジメられるだけでは飽き足らず北高まで出張イジメサービスか?」
「そんなサービスないよ。」
「なめてんのかてめぇ!お前に口答えする権利を与えた覚えはねぇーよ。ムカつく野郎だな。」
「それはお前だろ!」
「頭にきた。俺がおやゆび姫かどうか確かめて教壇の上に立たせてやる。」
ドス!ガスッ!
腹にケリを入れられ転がされ、尻餅を着いたところへ顔にケリを入れられた。
「何をやっているんですか!」
担任の荒巻先生だ。ふ~、助かった。
「突然藤城が怒り出して『殺してやる』と言いながら殴りかかってきたので殴り帰しました。正当防衛です。」
え?高橋が先生に嘘を吹き込み始めた。
「あら、高橋君大変だったわね。藤城!あんたは何やってるの?いつもいつも問題を起こすのはなぜ藤城なの!?あなた今日謹慎処分が解けたばかりじゃない。そんなことしてるとまた明日から謹慎してもらうわよ。嫌ならおとなしくしなさい!放課後職員室に来なさい!」
ま、またですか?
俺はもう何も言わなかった・・・
高校で無双する転生賢者はクラスでイジメられる 諸行無常 @syogyoumujou
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