コンプレックス、あるいは呪い

 私には属性と呼べるものはない。もしくは、言えるだけの自信が、ない。


 別にいいじゃないか。世の中そんな人が大半だ。あるからと言って特別偉いわけでもない。……と、自分自身を擁護してみても、属性、特に創作への憧れは消えない。


 お前はいったい何者になりたいのだ?


 何がしたいのだ?


 何を得れば満足するのだ?


 別にただの消費者でいいではないか。そもそも創作者など言っては失礼だが腐るほどいるぞ。お前がやる必要はこれっぽっちもない。ただ口を開けて餌を待っていれば、それでいい。なぜ特別になりたがる? 特別など幻想に過ぎない。そんなもの早く捨てて、普通に消費者として生きればよい。お前に能力はないし、求められてもいないのだから。


 だというのに、創作への執着、コンプレックスは、消えない。私はこれを呪いだと思っている。病気であれば医者に行けば治るが、呪いを解くのは無理だからだ。呪いに思考が侵されるたびに、しんどくなる。


 いつの日か、呪いが解ける日が来るのだろうか? どのような形で解決するのだろうか? 憧れが現実になるのか、現実が憧れを飲み込むのか。おそらく後者だろうと私は思う。何しろ、お前は飽きっぽくて、すぐ諦めて、根気のない人間だとよく知っているから……。

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何者にもなれない私のこれまで @iamnez

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