名探偵コナンの作者として有名な青山先生のデビュー作に『ちょっとまってて』という漫画があります。
この作品の中では2才差のカップルが歳の差を解消するために、年下の彼氏の方がタイムスリップしようとするのですが、年上の彼女が出来心で装置をつけてしまい、そのまま2年が経過。
彼女の存在を忘れかけていた彼氏は3年生になって、「自分を彼女にして!」という後輩が代わりにいる始末。それでも最後は彼女のことを思い出して、後輩は去ってしまうのですがそれとは違ってこの作品では後輩のような存在のお見合い相手が、別れた恋人を応援しています。
タイムスリップ物と比較してしまうのはお門違いですが、機械とコンピューターという面でよく似ていると思いました。
彼女と考え方が違っても、一度別れてもまた巡り合うのがコナンであり、この作品でもあると思っています。
作者様を傷つけてしまったら申し訳ありません。
この作品と出会ったのは1月です、
この作品を初めて読んだとき、1万文字にも満たないこの作品に私は感情を激しく揺さぶられました。
当時、この作品の良さをほかの人にも知って欲しいと思って、レビューを書こうと思ったのですが、この作品を読んでの感動を言葉にして表現することができませんでした。
このレビューを拙いながらでも書こうと向き合えるようになるまでに4ヶ月も過ぎてしまいました。前置きが長くなってしまいましたが、この作品の魅力について紹介をさせていただきます。
登場人物について、
この作品では登場人物の性格や人柄を、表情や言動という要素表現をされています。直接○○のような人だ。という刷り込みの描写が無いので、作品を読んでいるうちにどんな人物なのかが分かるという表現なので終盤の感情移入もかなりのものでした。
進行 構成について
訪れる場所、会話どの要素を切り取っても作品を引き立てる要素となる意味を持った無駄のない文章となっています。
世界感について
この作品のテーマの一つである『ミスマッチングアプリ 』このアプリがどういうもので、どのような社会になっているのかという説明が説明パートは数行しかないにも関わらず、話の進行を理解するにあたっては十分というとてもコンパクトに収められています。
この作品の印象として読まれるということを意識し、読みやすく、分かりやすい。しかしながら、表現できる最大限をぶつけて読者を感動させるという意思を感じるとても素晴らしい作品でした。
自分が良いと思う作品という考えに大きな影響を与えた多くの人に読んで欲しい作品です。
誇大表現ではありません、過去読んだ作品の中で一番心が揺さぶられた作品でした。
ミスマッチアプリ。相性のいい人間を探るマッチングアプリの逆バージョン。自分と相手の相性の悪さがパーセンテージで表すことができる。そのなかでも稀有なパターン、ミスマッチ率100%の女性と出会う。彼女は雨宮翔子。興味深い数字を叩き出した彼女と会わない理由がなかった。
人間関係は数値で測れるものなのか。ミスマッチ率の高い人間は排斥すればいい。そう作中で述べられていますが、主人公と翔子の関係がひとつのアンサーなのだと思います。まったく合わない人間とはいかなるものか。好きなものを嫌い、嫌いなものを好む二人。価値観や意見の相違は目に見えていて、すれ違うこともあると思います。合わないから排斥するのではなく、そこから二人が何を感じ、相手と関わり、関係を築いていくか。その紆余曲折ある過程に胸を衝かれます。
マッチング率:0%
ミスマッチング率:100%
相性をはじき出すアプリに、主人公とヒロインはこんな結果を提示されてしまいます。
アナタならこんな相手と付き合ってみたりしますか?
主人公も迷いますが、合ってみて彼女に魅かれ付き合うことに……
果たして、ミスマッチング率:100%とアプリが言わしめたこのカップルは、幸せになれるのでしょうか!?
主人公がアプリの結果とヒロインとの間で、気持ちを揺らす姿に共感しました。
ここまで極端な結果、気持ちが揺らいで当然だと思います。
主人公の心の変化を追っていくのが、とっても面白かったです!