うん、誰のために書こうって感じではない。うん、何かを目標にして書こうってわけでもない。ただ、自分の中の何かを吐き出して書いている作品。ただ、それに傷があって、ただ、それに傷がついてる物語。
物書きに限らず、あらゆる作り手は常に迷って悩んで葛藤して、絶望と憧憬にさいなまれるものですよね。それぞれ独立した掌編なのですが、なんとなく作り手の無間地獄が通底しているテーマのように感じました。 なぜ書いているのか? 自分の書いているものはおもしろいのか? 書きたいものが書けているのか?おそろしく魅力的で逃れることのできない地獄。物書きとして、いろいろ考えさせられました。続きが楽しみです。