夢見るような……、だけど壮大な心理的実験小説!

これは、サイケデリック (陶酔的) な実験小説だ!
そう感じました。
勝手な解釈、的外れな指摘については、最初にお詫び致します。
本作の内容について、まだ充分に消化し切れていないのですが、書かずにはいられません。
人間の生活実感、というか、日常感覚を、迫りくる「死」というものが「濾過」していった時に、最終的に、いったい何が残るのか? その壮大な実験が、そしてその過程を描いたのが、この小説なのだと思います。
人によって最終的に残るものは、もちろん様々なのでしょうが、願わくば紗那ちゃんのように、キラキラと降り注ぐタピオカ流星群のような、思い出と友情、そういうものでありたいです。
題材としては「死」を扱っていますが、人生、或いは人間というものに対する作者の愛情を感じることが出来ます。というか、その愛しさに気付かせてくれる、そういう作品です。
終わりのほうで、瑠璃ちゃんが、「やばい、やばい」と飛び跳ねて紗那ちゃんのからだを揺すりますが、「やばい」という言葉で泣きそうになったのは初めてです。
心の中に大切なものを見つけたような、そんな気持ちです。