死に至る“呪い”が間近に迫る主人公の最後の任務としては余りに奇怪な、死にたがりのヒロインと友達になれ、という一見すれば単純でその実極めて困難なそれが成されたときに二人が得るものがなんなのか楽しみです。
超法規的措置が取れる国際的諜報組織『クレセント』で、身体は17歳のまま、27歳で死ぬ運命を定められた牧志ミヒロは、ある日日本の死にたい少女相川ランの『友達』になれという奇妙な任務を命じられる──。 ロックスターは27歳で天国でのライヴに呼ばれるという伝説になぞらえたと思わしきこの物語は、作者のそうした音楽や小説などの趣味が垣間見えつつ、エンタテインメントとしても読み応えがある作品に仕上がっている。 死と不死という明確に真逆の要素を元に繰り広げられる物語がどう行き着くのか、ぜひ読んでいただきたい作品。
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