9:再会は夕凪の窓辺で=Side詩乃
朝のホームルームには、1時間近く早い到着ともなりますと…教室には、
初めて
引戸を開けて中に入ると…やはり、
先日まで私が通っていた、
教室の前後にある引戸のうち…後ろ側の入口から中に入った私の目が、最初に見付けていたのは
教室に来た私達生徒が
『
ありがたく自分の席を確認しようとした私でしたが、1つ大変な事に気付いてしまいます。
「こ、この座席表には…当然ですが、クラスメイトになった方のお名前が全員分書かれているはず…。」
どうしましょう…これを見ると言う事は、『あの方』が同じクラスなのかを確認出来てしまうのでは!?
ですが…自分の席を確認しなくてはいけませんし、見ないといけない事には変わりないですが…見たい様な、見たくない様な…。
「ここに、答えが…。」
「ここは、自分の席を確認出来たらそこまでに致しましょう。」
その
「そうです、良い事を思い付きました!」
わざわざ
「こほん…いざ、
小さな気合いを入れて、1番
ーーー『
「………………。」
そうでした…生まれてこの方、私は出席番号が1番以外だった事がありません。
完全に
「…何をしているのでしょうか、私は…。」
早々に必要な確認が済んでしまった私は…何だか
あぁ…先ほどまであんなに色々考えて、一人で
「はぁ…。」
溜め息を1つ。
いけません、本日は終業式だけと言っても…私達、元峰山生の顔合わせも兼ねているのです。
何事も初めが
それで言うなら、あの方との出会いはあまり…。
「…はっ!ですから、落ち着きなさい…詩乃…!」
このままでは、朝のホームルームもまともに受けられない事は
お母様に見られていたのなら、間違いなくお説教でございます。
…本当に見られていたら、その前に
気を落ち着かせる為に、
いくつか種類はございますが、今回は『
道具も必要ありませんし…
これが、言うは
鞄を机の横に掛け、姿勢を正して目を閉じると…一瞬の
窓際の席ですから、
ここからは、
まず、暗闇の中に光の玉を生み出し…次にそれが
実際…そんな風にして、『凪』に至った私は…心地よい
お母様が仰るには、『凪』に至った
と、
ーーーそうして間もなく完全に意識が戻る頃になると、廊下の辺りから
どうやら、ご学友の皆さまが登校してくる頃合いになっていた様です。
何やら、ヒソヒソとした話し声と二人…三人でしょうか、その方達を中心にちょっとした
目を開いて、黒板の上にある時計を見れば…8時38分。
もう10分ほどで、朝のホームルームなのですけれど…教室内には私しかおりません。
教室の前後にある入口が、どちらも少しずつ開いていて、人の気配は多く感じられるのですが…どなたも入ってくる気配はございませんでした。
やはり先ほど感じた通り、何かしらの問題が…?
疑問に思い…
戸の
「すぅ…、ふぅーーー…。」
大きく息を吸って、細く長めに息を
すると…。
「だから、巫女様が…」
「恐れ多いって言うか…」
ーーーズキリ
はっきりと聞こえた訳ではないのに、その二つはしっかりと聞き取ってしまいます。
胸に走る痛みを
教室に誰も入って来られないのは…どうやら、私のせいだった様でごさいます。
しかし、どうしたものでしょうか…今から出ていくのは、
「お前ら馬鹿か?巫女サンだから、何だってんだ?」
ーーーあの方の声が、静かに、けれど力強く、皆さまに…いいえ、もしかすると私の世界に、
「
あぁ…やはり、あなた様は…。
「人との接し方を、他人の評価で決めるな!周りがどうとか関係ねぇだろーが!まずは自分の目で巫女サンを見ろよ!その結果、巫女サンを
この時の私の心は、一口には語り尽くせません。
ただ、後から思い返してみれば…きっと、私の心はこの時に決まっていたのでございましょう。
ーーーこの方を、
戀をあなたに…。 門倉 結兎 @kadokura1046
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