第4話 夏風

「じゃあ何か? 肩の脱臼入れてあげて、親御さん含めて仲良くココア飲んで終わり?」

 呆れた様な声が電話の向こうから聞こえてくる。

「だからそうだって。中村にも山里にも言ったはずなんだけど誰経由でこの話聞いたんだ? まったく。そんなんじゃなぁ、そのうちキミは絶対に騙されるよ」

 更に呆れながら言う私。

 するといきなり電話を切られた。

 ふぅ。

 だから言ったじゃねーか。

 そんなに良い話じゃないって。

 ベランダに出て煙草に火をつける。

 夏風は涼しく私を撫でてくれた。

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あの日は雨だった 今村駿一 @imamuraexpress8076j

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