ねこになり~た~い~。と、歌いながら読みました。 ※完結追記

※作品は絶対評価したいので星の数は適当です(全部星二つです)。
※9話まで読んだ感想です。
※最後まで読んだ感想を追加しました。

そういえば、ジジは話さなくなるんだったなぁ、なんて往年の名作を思い浮かべながら読んでいました。

こちらは、黒猫になれる新米魔女の奮闘記。一人の女の子が猫カフェ開業にあくせくせっせするビルドゥングスロマンです。

舞台は、魔女狩りもはびこり、猫焼きが横行し、ギャングも半グレの暴行集団もいる、なかなかシリアス世紀末な街。猫は徒党を組み、身を守るべくカラス仮面を用心棒に。メルヘンチックですが、やってることはこちらも結構エグ味マシマシです。

※※

個人的な面白ポイントと偏見を多分に含んだ人物紹介。話半分でお読みください。

〇シルヴェス―――愛称シル。猫になれる変身魔法の使い手だけど、それしか使えない。気合一発の一芸卒業をかました猛者。今は猫カフェのスタートアップのためのファンドとマーケティングとリクルートをアジェンダしてる最中(←ごめんなさい意味分かってません)。猫になると猫語を話せるが、人間のときからちょっと猫っぽい。人たらし。猫をモフり猫になりモフられ頑張っている。

〇ハバ―――シルの下宿先のマスター。クラシカルなバーを営むナイスミドル。シルについて、露骨な伏線を張ってくるところもナイス。期待している。

〇アーサー―――ハバのところを縄張りにする猫。人間とは適切な距離を保つ。孤高の獣らしい独歩自立の精神を涵養しているが、ひとたび餌を出されれば女子会の肴になることもいとわない好漢。

〇猫好きネットワーク―――シルが学園で作った文字通りのサークル。その全容は未だ把握できず。確認できているイカしたメンバーを紹介する。

・フェル―――シルの同窓生でガラス職人。無口で人見知り。芸術家肌。猫をいじめる者には「お前もガラス細工と一緒に炉にいれてやろうか」と豹変するかもしれない(しません)。

・エリス―――ハーブ屋。大人っぽい。恐らく姉貴分。そして恐らく割と自由なシルとフェルに振り回される苦労人の気配がする。猫をいじめる輩には「お前もハーブ畑の肥料に」と(言いません)。

以下、増える予定。

〇ラーク―――イケメンその一。宮廷魔道士。初登場時は、なかなかの騎士道ムーブで話題をさらうが、イケメンは増えた。今後の活躍に期待。猫は嫌い。シルにはツン気味なちょいデレを見せる可愛い奴。

〇サイベル―――イケメンその二。パン屋さん。金髪碧眼眉目秀麗。シルの猫カフェと業務提携を結ぶ予定。割と人間に対してはドライで「こいつ、カラス仮面なんじゃね?」とレビュー主は怪しんでいるが、大抵こういう予想は当たらないので、きっと笑われるだろう。笑われて行こうじゃねぇか。


可愛く、ダークに、シリアスになり切らずストーリーをしっかりと展開させていく良作です。続きを楽しみにしています。



※完結追記

動物写真家の岩合光昭さんは、猫を「平和な動物」と称しました。

のん気、気まま、ねぼすけ、というイメージとはまた別に、彼らなりの野生ってものもあって、人間を含めた、別の動物と戦ってきた歴史があります。

そこらへんの厳しさも描きつつ、猫よりも猫っぽい魔法使いの少女と猫によって、世界は少しだけ平和になります。

もふもふ革命は、ここに相成ったわけです。

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