確かな知識に裏打ちされた軽妙なもふもふ+重厚なファンタジー!

タイトルからは軽いタッチのコメディの印象を受けますが、その実、根底に流れる要素はとてもシリアス。中世の魔女狩りを下敷きにしていて、時に目を覆いたくなるような残酷な描写も登場します。

しかしそれを重たく感じさせないさらりとした筆致と、主人公シルヴェスの明るく前向きなキャラクターで、物語はテンポ良く進みます。

更にこの作品の大きな特徴であり魅力が登場する猫たちの描写!
猫は人間のように表情で芝居をしたり感情を表すことはできません。しかし動物学を専攻していらっしゃる作者の知識と、猫に対する細やかな視線により、猫が本当に生き生きと描かれています。猫好きの方ならなお、「そうそう!こういう動きするよね~!」と頷きたくなることでしょう。

魔女と猫に対する偏見の根強い街で、“猫にしかなれない魔女”シルヴェスがどう人々の心を変えていくのか、この先がたのしみです!


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