異世界転生しない剣と魔法のファンタジー

この小説の主人公である男子高校生・林田栄が、放課後に向かうのは、モンスターたちが住まう「森」です。
決して「異世界」というわけではない森で、林田は、安物の剣を手に、魔法使いたちとパーティを組んで戦っているのです。しかも、彼らが戦うモンスターとは、ロールケーキやアイスバーのようなお菓子たち! そんな悪ふざけのような構図が魅力的で楽しい一編です。しかし、ラストでは意外とダークな展開が待っています。
作品として見た場合、一人称だったり三人称だったりでぶれている点に弱みが感じられます。個人的には、冒険者であり同じ高校生でもある鳥羽との絡みが、もう少し読んでみたかったです。