腐れみかん

みかんぼうや

第1話

最初の1歩は肝心だが、私は大体、最初の1歩を失敗することが多い。


準備に準備を重ね、気合を入れて挑むと力みすぎて実力の半分以下しか出せず、失敗する。かといって、全く準備せず、中途半端なやる気で挑んでも絶対に失敗に終わる。人生とはそんなもんだ。しかし、たまにとんでもない成功が舞い込んできたりするから、油断はできない。


というわけで、このシリーズは成功に終わるのか失敗に終わるのか、もしも読者がいるのなら、生暖かい視線で見ていて欲しい。


話は変わるが、私は極度のめんどくさがりだ。唐突に、何をするのもめんどくさくなる。脳にめんどくさスイッチがあって、それがONになればたちまち森羅万象すべてのものがめんどくさくなるのだ。仕事も、プライベートも、恋の悩みも。例えば以前、職場で好きな人が退職することとなった。これが最後のチャンスなのに、結局送別会で自分の思いは伝えられず、暫く己のチキンさを呪って悩んでいた時のことである。最初の2時間ほどは「なんて自分は意気地がないんだ。」とか「他に、なにかまだチャンスはないか。」など悶々と悩んでいたのが、急にそんな自分にめんどくさくなってしまった。そして、100年の恋も完全に冷め「ま、いいか、どうでもいいや」となってしまった。さすがにこれには自分でも苦笑した。


今後、このめんどくさスイッチとどう付き合っていこうか、最早それを考えるのもめんどうなので、自分のペースで、のんべんだらりと生きていくしかないのかと考えている。


ゆるく生きていく人は、必ずしも人生を諦めている人間だけではない。自分のキャパと相談しつつ、頑張り過ぎないことも1つの戦略だ。少しくらいズルしても、逃げ出しても、大丈夫だと思う。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

腐れみかん みかんぼうや @kameo

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ