最終話 戦いの果て

コンプラ壊滅から何ヶ月か経った。

あの後施設を抜けたら誰も居なかった待ってる奴も見送りも、無愛想なもんだ。世界中から来た野次馬戦士共が施設長を探したそうだが姿が無かったとよ、あんは爆破を直に食らったのにタフ野郎だ。表現や自由を取り戻した世界は随分賑やかになると思ったが、正直言う程変わらねぇ。まだ浸透してねぇせぇだろうな。


「平和にはなったか?」

だが常識は変わった、新たに再び警察というものが出来、法律が出来た。

捕われない殺人鬼も健在らしいがな。

..かくいう俺は、結局また旅をしてる

表現を広める役割もあるが、まぁボチボチ纏まらないもんが多くてな。


「オヤジ、いつもの。」

「いつものって程通ってねぇだろ」

グラスに適当なものを注ぎ、テーブルに出す。

「ここは随分活気が戻って来たな」

「村の中はな、客はそれ程多くねぇよワサビもローションもやってんだけどな。」

「ん、何だこれ?」

「最近良く出回るんだよ、このご時世に新聞なんてと思うけどな。だが面白い話が載ってる、どこで仕入れてんのっていう人の噂とかな。」

「..ったく、しゃらくせぇ奴ら。」


『判ったよ、アイツ別の組織に情報漏らしてた。』

「やはりそうですか。グラハくん、詳しい調査をお願いしますね。足はキャミーさんが賄ってくれますから」

「俺ばっかじゃねぇか!

..ったく、行くぞ根暗兄弟。」

「命令すんなよ」「俺ら雇われだし」

「本来は俺だってその筈なんだよ!

どういう風の吹き回しなんだこりゃあ

〝社長〟さんよ!!」

「どうもこうも単なる形態変化です」

マスメディア改め

《株式企業マスメディア》

情報を扱い真実を追う記者会社。情報管理及び業務提供は情報機関ウィパ。

「時代も変わりゃあ形も変わるってかついてけねぇなぁどうも。」

グラスの酒を飲み干し、席を立つ。


「じゃあオレは行くぜ、面白ぇもん見てぇからよ。じゃあな!」

自由を奪うな、表現を殺すな。

               完。

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DelicacY DeaD アリエッティ @56513

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