第14話 ロシアの最終兵器


 吹雪が視界を遮る。

辺り一面の銀世界を前にまだ見ぬ敵を想像の

中で殺す。何人も何人も何人も。

幾層にも積み上げた屍の城。

私を満足させてくれる相手は直ぐにオブジェに化ける。足りない、足りない、足りない。

あの女なら満たしてくれるのだろうか…


「しばらく顔を見せないと思ったら何処へ行っていたのだミヒェル、次が決勝リーグだぞ。次こそが

お前の生を満たしてくれる相手かもしれぬな。最もお前は俺の最高傑作だから勝つのはお前以外にはいないだろうが」


老境に差し掛かる手前といった男が呟くようにそう言った。


 そう、私はこの方の最高傑作。作品。

闘争本能剥き出しのロボット。

はやる気持ちを抑えるので精一杯だ。

早く闘いたい。ただ、ただ、血肉を求めて。

生きていると実感していたい。

自分を追い詰めて、相手も追い詰めて、

生の奪い合いを実感していたい。

数多くの生を奪う極寒の地で、

私はその胸の裡を遠吠えをする狼の音に合わせ、叫んだ。




―鈴麗GALsBOUT― 第一部【完】


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鈴麗GALsBOUT―RGB 天球儀ナグルファル!d(*´ω`🎀) @ZERO0312

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