第13話 決戦!!荒野の女
「youが鈴麗、たいしたことなさそうだ」
眼前の相手は馬鹿にしたように目尻を下げた顔をしている。
荒野に忽然と佇むPORICEの看板を背にし
SSAに手をかけ女はそう言った。
「さっさとやろうぜ」ギュッと思わず拳を固めると、同時にこめかみに血流の巡りが伝わってきた。
スタンバイOK。
(いてこますしかあるまいて
!d(*´ω`🎀))
ふと、何か聞こえたような気がした。
巨大な人体モニター装置が幾本もの緑色のレーザーを放ち身体をスキャンしてゆく。
《両選手ともにホログラム化成功しました。脳内の神経伝達物質から五感・痛覚・運動・代謝機能までのシンクロオールクリア。
VR空間へホログラム自動転送行います。》
〈それでは決勝リーグを行います!!両選手とも用意はいいでしょうか!?〉
〈それではジェネ・バトル!!RADY!GO!!!!〉
試合開始の合図とともに、すかさず
距離を作りにいく。
後退すると的になりやすいので前へ前へと
詰めにでる。
流石に殺人は認められていないので
実弾の心配はないだろうが、気を失わせる
破壊力は十分だろう。
的にならないように、頭を小さく降る。
と、下方から衝撃が走った。
「グッ・・・」
「ミーのこと侮りすぎじゃない?銃一つでココまでのし上がってきたワケじゃないよッ」
どうやら膝蹴りを喰らったようだ。
ガード越しとはいえ、痺れがまだ治まらない。
腰に下げた2丁拳銃、それに両手の動きは
フェイクも混じっている。気を取られすぎていた。
「おやおや良いのかい?」
気がつくと後退していた。
コレでは相手の間合いだ。
「ホラホラホラ」
ガン・トレットはSSAを引き出し
交互に撃ってくる。
危うくバレットが頭上を掠める。
(ととッ・・・あぶねえ・・・)
中距離はSSAの描く軌道に注意しとかないと。注視した先には、見覚えのある顔が浮き上がってきた。
「ガン・トレット!お前に聞いておきたいことがある!小鈴とはどういう関係だ」
「小鈴?Oh〜!Heはミーの学校のトモダチ兼サポーターだよ。今年も一緒に組んでアイツに借りを返すって決めてるんだ」
「アイツ?アイツとは誰だ?」
「youは何も知らないの?表舞台しか知らないとはミー以上にお気楽ときてる。
まっ、いいやサッサとこの勝負を制して
ガッポリ賞金いだたくとするよっ」
すかさず、地を蹴る。
砂埃が眼に入ってきた。
(しまった・・・汚えぞ)
完全に両目を塞がれた。どうする?どうすれば?
「HAHAHA!勝った!勝ったよ!」
と、その時不思議な声が聞こえた
(ココも試練の時!
めげないマン!麗煌信じてる!d(*´ω`🎀))
自然と落ち着きを取り戻す。周囲の空気が
澄んでいく。
熱源を捉えた。SSAが火を吹く。
身体が後ろに仰け反る・・・
「バシュ!!!!」
「oh〜手応えあったね!!」
〈なんという事でしょう!!!!ガン・トレット
選手の的確なショットで鈴麗選手ダウン〜
コレは勝負が決まってしまったか〜!!!!カウントを始めます。ワーン!トゥー!・・・〉
「カウントなんて無意味だよ。失神した顔を直に確認してあげる」
ジリ・・・ジリ・・・ジリ・・・
「NO!!」
〈おお〜っと〜!!!!SSAが2丁とも空を舞う!!!鈴麗選手の蹴りがクリーンヒット!!!!〉
「なッ!たしかに手応えあったハズ!?
な、おーオマイガッ」
〈コレはどうした事か!!!口から弾が出てきました!!!!〉
「かわせないから、受け止めるまでだ!!
次はお前の番だぜ!?シッカリ正面で
受け止めなッ!!!!」
〈鈴麗選手!!痛恨の掌底をガン・トレット選手の顎先にクリーンヒット〜!!!!
ガン・トレット選手ダウン〜!?起き上がる事は果たしてできるのか〜!?〉
虚しくテンカウントが鳴り響く。
〈鈴麗選手の勝利です!!!!〉
けたたましいほどの歓声に包まれる中
虚無を思わせる空洞が出来上がる。
ガン・トレットに駆け寄る小鈴は無言で
コチラを睨んでいた。
「・・・・・・」
呼びかけようとするも声にならない
ガン・トレットを抱きかかえホールの方へと
去って行った
(小鈴、お前はウチの事を忘れてしまったのか。もう元の生活には戻りたくはないのか)
勝利の味はあまりにも苦かった・・・
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