貢ぐ女

湊賀藁友

貢ぐ

「ねぇ、あなたの為だったらいくらだってみつぐし何だってするから、

だから私のところに来てよ…、お願い…。


何回も裏切られたことだって全然気にしてないし、あなたが私のところに来てくれたら誰よりも大切にするから…!!


だから…っ!」




震える手で、スマホの画面に触れた。




「っあーーーー!!!!!!!

三万円課金して出ないとか運営ィィィ!!!

こちとら推しのために仕事してるっていうのに…!!」


「…ねーちゃん、ガチャ引く時に推しに祈るの怖いんだけど。

あとダメだったとき叫ぶのも。」


「三万円使った内の最後のガチャだったら祈るし叫ぶでしょ!!!

……はぁ、コンビニ行ってくる。」


「ねーちゃん…、また一万円分買ってくるの…?」



今日も今日とて、ウチは平和である。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

貢ぐ女 湊賀藁友 @Ichougayowai

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

同じコレクションの次の小説