第2話

私の知ってる世界じゃない。


目の前に映る景色は何?私は思考が追いつかなかった。

しかも、自分を見てみると自分の体はとても黒かった。まるであの雲の色のように...気持ち悪い......この黒は私を闇に引きずり落とすの?


どうやら私は随分と長い間の眠りについてたようだ...。この死体、見たことがない...なんていう動物なんだろう。

うっ...見てるだけでも吐き気がする...早くこの地獄から抜け出さないと...。


とにかく私は歩いた。足がちぎれるくらい歩いた。何の目的もないのに.........でも私は「生きたい。」

ただその気持ちでたくさんだった。この闇よりも暗い中でずっといるなんて、心が押しつぶされてしまう。しかし、もう.........限界だ...体力がない........................私は死んじゃうの......?





『ね..................ぇ..............................』


ふと、誰かの声がする。とても柔らかい声。


『起き...て......目............を覚ま...して...............』


私に話しかけてる...?

何故か、どこか懐かしいような声。


私はゆっくりと目を開いた。

そこには、真っ白な動物がいた。動物...といっても今まで見たことの無い姿の生物.........


「あなたは...............誰...?」


『僕は君に希望を与えにきた』


何を言ってるんだ.........とも思ったが、まるで天使とも言えるその風貌にすこし混乱する。

「あなたはなんで私の事を知ってるの...?」

『そんなことはなんでもいいだろう、それより君、僕と違って真っ黒なんだね』


からかっているのか?少しムカッとしたが、どこかとても安心出来た。



『この世界は今ね、今人間という生物同士が、争いあっているんだ。』

その子は突然真面目な顔になった。

「...人間ってあの大量死体のこと?」

『そう、君と僕とあの人間の姿、全然違ってるでしょ?』

「確かに......ねぇ、今この世界は何が起こってるの?教えて...」

私は人間というのよりこの世界の現状が知りたかった。

『今この地球では大きな戦争が行われている。これは人間同士のことだが、僕達のような生き物や動物たちも関係なく巻き添えを食らっている。』

「そんな.........私が見たのは遠い昔に...動物たちが暮らす平和な世界......だったのに...」


私は突然突きつけられた真実に絶望しかなかった。もう何もかもが嫌になる。


『ねぇ、君はこんな世界で生き延びたい?』

その子は突然聞いてきた。

「.........もちろん...私の目的は生きたいってこと.........ただそれだけ...」


私はこの世界で生きたい。その気持ちしか無かった。


そう言うとその子は微笑んで

『僕はLime。よろしく。』

と一言呟いた。

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焔の旅 — コール @yanagi879

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