焔の旅 — コール
柳
第1話
──目を覚ますと眼前に広がるのは空だった。
空の色は灰色に染まっており、雲が真っ黒だった。
ここはどこ...?
体を起こして周りを見渡すと、何やら森の中のようだ。生暖かい風が肌をすり抜けていくのを感じる。私はしばらく地中で眠っていた.........だが、自分自身が何者なのか分からない。でも、とにかく不安だった。見知らぬ場所と自分。気持ち悪いような空の色。
私は不安な気持ちで、いっぱいいっぱいでしばらくその場でソワソワしていた。
こわい......私をここから出して.........
しかし、誰も助けてくれやしない。ここにいても何も無いので、とにかく森を出てみることにした。
森と言っても、林くらいの広さですぐに抜け出せそうだ。それにしてもさっきから変な音が聞こえる...ドーンッと低い轟音や悲鳴のような音まで聞こえる。なんだろう?早くここを抜け出さないと...と思い、草と木をくぐり抜けていった。
「そ、外だ...!ようやくここから出れ」
「え.........?」
目の前に何かの死体があった。
しかも1人だけじゃない。
よく見てみると数百、いや数千もの死体が地面に横たわっている。
全部血を流し、体の一部がぐちゃぐちゃになっており面影を失っている。
それだけではない、遠くには大量の変な動物...?がいたり、空には大きな鳥のようなものも飛んでいる。
でもあれは動物じゃない。
なぜそうだと判断出来たのかも分からない。
私は動けなかった。
希望が見えた瞬間、地獄を見た。
私はどれだけの間眠っていたんだ
もう何も見えない
見えるのは空の黒さと
闇よりも黒い自分の体だった
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