ドリームガールカッターガール

ちゃむと薫

第5話「追憶への接吻」

ー渡さない。魔の手にだけは。この子達に水をやり肥料をやるのは私の使命・・・ー



その日。私たちは散々に殴り合いをしたあと、見られていることにも気づかず、帰路についた。


カナメユリナ「「あいつ、ムカつく!!!!」」


お互いが同じ能力を持った者。だが、所詮は違う動物のハーフ同士。本能は抗えないらしい。



次の日。


カナメ「あのユリナってやつほんとムカつくんだけど!?」

友2「うわぁ。派手にやったねー。あんなやつと戦うとかあんたなに考えてんの?」

友3「カラオケじゃ、あんなひ弱なのにカナメの前だとそんなにムキになるんだ。」

友1「まぁよくやったんじゃない?

あ。そうだ。いいこと思い付いた。あいつにもっと屈辱を味わせようよ。」

全「何?」

友1「学校でキスするのよ」

友2「ゲーッ!レズってこと?!気持ち悪!」

友3「ハハッ!それ傑作!じゃんけんで負けたらそいつがやればいいじゃん(⌒‐⌒)」

カナメ「・・・。」



カナメはあることを思い出していた。

2年前の、夏。

カナメはある女の先輩に恋をした。

想いを伝えることなく秘めたまま卒業してしまったけれど。


「「いくよー!じゃんけんぽん!」」

カナメ「え?!」


咄嗟にパーを出したカナメは負けてしまった。


カナメ「え....」







音楽科の教室はいつもどこか静かだ。

みんなプライドが高く、溶け込むというよりは高めあう仲といった感じである。


そこにユリナの名を呼ぶ憎たらしい声がした。


カナメ「お、おい!ユリナ!こっちこい!」

ユリナ「はぁ。今度はなんのよっ!」


チュッ。


柔らかい唇同士がきつくふれあい、校内の視線は一気に2人を取りまいた。

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