神社の御狐様

羊草

第1話

私の住んでいる村は御狐様がいる。


秋になると、輝く黄金の色がふさふさと広がる稲穂は、御狐様の尻尾のようで、村の人は皆、お米が大好き!


この村の神社は全て御狐様が祀られていて、皆、御狐様のためにお金ではなく、お米を賽銭箱ならぬ、賽米さいまい箱に入れていく。


そして、私も、今日はその賽米箱にお米を入れている最中。ここの御狐様は1お願い事を聴いてくれる。だから、お米は少な過ぎてもいけないし、多過ぎてもいけない。枡、一杯分きっちりとお米を入れないと願いがちゃんと叶わない。


私のお願い事は………………


友達を作ること、一緒に話したり、一緒に笑ったり、一緒に泣いたり、一緒にご飯食べたりする友達。


だから、私は最後にお米を入れ終わってしまい、このお願いが叶うように邪念を消して祈る!


ジャラジャラ、ジャラジャラジャ。


パンッ、パンッ。




パンッ。




パアー、と明かりが灯って、目を瞑ると音が聞こえた。


ファサファサファサファサ………………


まるで、稲穂が揺れるような音。


光が収まったので、目を開ける。


そこには御狐様がいた。


「御主の願い、聞き届けた。私が友になろう!」





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神社の御狐様 羊草 @purunn

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