10年前の夢
もう一度お世話になります、と頭を下げた
皆温かい眼差しをこちらに向け
拍手をしたり大きく頷いたりしていた
胸に込み上げるものがあり懐かしいその顔ぶれの視線一つ一つに会釈をし礼を述べる
私のデスクは相変わらず、園村さんの隣
あれから何年経ったとゆうのだろうに知らない人はいないどころか
誰一人欠けてすらいない
カンはずいぶん鈍っただろうし安定しを手放し再び夢に賭けるこれからの生活に不安はあった、が。またこの空間で鉛筆を手にひたむきに作業する日々が始まったと思うと嬉しかった
何も変わっていない
時代は流れたと言うのに
河内さんは机の下に段ボールを敷いて仰向けになって仮眠を取る
三上さんはオフィスチェアの上に膝を抱える姿勢で小さくなって作業する
お腹が弱いのに牛乳が大好きな岡さんがグラスにそれをそそいでいる
なにも変わらない
みな、歳もとっていない
私は線画引けない
だけど覚えて行けばいい
帰ってこられたのだから
アラームが鳴るまでは
夢話 いろ國 @irokuni
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。夢話の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます