神域の夢


近くを見れば草木の多い田舎道、遠くを見ればそれは大きな都市

そんな景色の中を美しい人と歩いている

彼女もまた、大人の女性にも少女にも見える


傍にいるこの人物を愛しいと感じる、恋人だ


背ばかり高い入道雲を指差し夏の景色を見渡していた直後には、雪をかぶった山脈が現れる


かまくらを作ろうと彼女が駆け出し、私はそれを追う


山へ分け入り、雪を目指すうち

ほんのわずかにひらけた場所に出た

小さなやしろ

神仏が祀られている


木造で虫の食った木造の神体に目が行く


しまった、と思った


立ち去らねばいけない



彼女の手を引きやしろに頭を下げその場を後にする


石の階段を降る途中、彼女は小さなオレンジ色の蛇になってしまったけれど問題では無い


相変わらず愛しい恋人

背中には視線

視線

視線






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