魔法論草稿
TETA
光魔法における保存則
光魔法は最も簡単な魔法である。それは人間にとって最も鋭い感覚が視覚であることと無関係ではないだろう。しかし魔法現象におけるエネルギー損失のほとんどが光であるように、マナとの変換が最も容易なエネルギーの形式であるのかもしれない。
光はエネルギーを持っている。故に、光魔法はエネルギーを放出している。
魔法を行使するとマナを消費する。他に変化がないものとすると、マナはエネルギーを持っていると考えるべきである。
さて、幻惑系統の魔術の内、視覚効果を利用したものは全て光魔法の応用である。最小の現象としては、屈折、変調、収斂がある。ここで起きているエネルギーの変化を考える。
屈折において光側のエネルギー量の変化はない。しかし、マナは消費する。その消費量はエネルギー損失で説明できる大きさではない。一方でこの変化が光のエントロピーを減少させていることは特筆すべきだろう。
変調、例えば色の変化であるが、これはエネルギーの変化を伴う。光は波長が短いほど高エネルギーであるが、やはり波長を短くしようが長くしようがマナを消費してしまう。これと同じことが、冷却魔法のエネルギー・パラドックス(次節で扱う)として知られている。
最後に収斂であるが、これもエネルギー量の変化はない。しかし、エントロピーの減少は明らかで、マナの消費量も大きい。
つまり、どの現象もマナが単なるエネルギーの一形式ではないことを裏付けている。最も直線的に考えれば非常に小さい(あるいは負の)エントロピーを持っていると推察できるが、エントロピーの授受とマナ消費の関係を明らかにすべきだろう。
次節にて、これについて考察する。
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