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「それで」

 うん

「私のリストは見たの?」

 見てない

「そう」

 うん

「ところで、それなに?」

 もらったラング・ド・シャの包み

「あー試食ってことね、おいしかった?」

 うん

「他には?」

 ない

「なにも?」

 なにも


 姉は笑う。

 そして俺のスマートフォンを「ほら」と顎でしゃくってくる。

 スマートフォンに姉からの新しいメッセージはなかった。

 ただまだ見ていない姉からの購入リストだけがあった。

 リストには、たった一行、たった一言。


「それがあんただ」



                                     了

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