アリスはチーターです

ミン

アリスの日常


ある日、アリスは川辺の土手で読書中の姉の傍で退屈を感じながら座っていました。

すると、そこに服を着た白ウサギが、人の言葉を喋りながら通りかかりました。


「あれ、こんな所に服を着たうさぎがいるなんておかしな事もあるものだわ。」


そう言ってアリスは白ウサギを追いかけました。


アリスは速さには自信があったのですが通常の状態では白ウサギには全く追いつけませんでした。


白ウサギは後ろを振り返りアリスが着いてきている事を確認すると挑発をするように指をクイクイとしました。


沸点の低いアリスは


「野郎!ぶっ殺してやる!」


と言うとリスクを考えずある技を使いました。

その名は


「界〇拳10倍!」


なんとアリスの身体能力は10倍になり白ウサギとの距離はみるみる縮まっていきました。

そしてあと少しで白ウサギに手が遠くというところで白ウサギはこちらを見てニヤリと笑った瞬間に消えてしまいました。


アリスは一瞬動きをとめましたが界〇拳は観察力まで10倍になるので直ぐに白ウサギは目の前の地面に空いた穴に入っていったことを察しました。


「野郎!首を洗って待っていろ!」


そう言うとアリスは穴の中に飛び込んでいきました!


穴の中の壁には沢山の棚があり中にはドラゴンの玉を集める本や海の王になる本、その他諸々色々なものが入っていました。


アリスは一瞬本に気を惹かれますが白ウサギを狩った時に読もうと思いそのまま落下していきました。


そして地面が見えてきた頃にアリスは棚の横の壁を手で貫きそのまま落ちることによって無傷で落下しました。


そして降り立った場所は、なんとコロシアムのような場所でした。


目の前にはとても大きなドラゴンがいましたが今のアリスにとって大切なのはやつを、白ウサギのやつを狩って漫画を読むことだけです。


その時アナウンスが流れてきました。


「目の前にいるそのドラゴン、ジャバウォックを倒すことが出来たのなら白ウサギと戦わせてやろう。」


そのアナウンスが終わると同時に戦いも終わっていました。


アリスはなんとアナウンスの白ウサギと戦わせてやろうという言葉の途中から気を溜めか〇は〇波の準備をしていたのです!


そしてアナウンスが終わると同時に発射されたか〇は〇波はジャバウォックの細胞ひとつ残らず消滅させました。

被害はそれだけに留まりません。そのままか〇は〇波はコロシアムを支えていた柱さえも消滅させてしまいました。


そして崩壊していくコロシアムの中、アリスは見ました。白ウサギが崩壊したコロシアムの破片を使い地上へと逃げようとしているのを!


アリスは落ちてきた、アリスの数十倍もの大きさの破片を片手で掴むと白ウサギの方に投げました。


白ウサギは破片をなんとか避けることが出来ましたが、アリスから逃げる事は出来ないと悟ったのでしょう。


走る方向を変え、アリスの方に向かって音速を超えるスピードで向かってきました。


そして移動しながら白ウサギは懐から懐中時計を取りだし、懐中時計に一つだけ存在するボタンを押すと同時に一言。


「ザ〇ワールド」


そう言うと白ウサギはいきなり目の前に現れアリスを蹴り飛ばしました。

アリスはまだ崩れていなかった壁にぶつかり、貫通しながら勢いを弱め5枚目の壁に当たり勢いを無くしました。


アリスは急いで姉に貰った仙豆を飲み込みました。

こういう時のために姉はいつもアリスに仙豆を持たせています。


そして白ウサギを見るとちょうど懐中時計のボタンを押す瞬間でした。


そしてまたも一瞬のうちに消えてしまいました。


(考えろ!やつが攻撃できる方向は左と右と正面と上のみ、後ろは壁だから攻撃されない!左!右!正面に敵の姿はない!つまり!!!)


「上かァァ!」


そうアリスは言うと相手の姿を確認もせずアッパーを繰り出しました。


そのアッパーは偶然か必然か白ウサギの顔にクリーンヒットし白ウサギは天井まで飛ばされ、天井に大きなクレーターを作りました。


アリスが息を整えていると、顔から血を流しながら白ウサギが目の前にやって来ました。


「やりますね、だが私のザ〇ワールドに叶うものなど存在しない!さっきまでは卑怯なので時間を止めている間は攻撃をしませんでしたが、次で殺さていただきます。」


白ウサギは次は喰らわないという意味を込めてそう言いました。


するとアリスは


「へぇ、じゃあ次の一撃で全てを決めようか。」


と笑顔で言いました。


アリスはなんと強い相手と戦うことに楽しさを見出す生粋のバトルジャンキーだったのです。


そして白ウサギはおもむろに右手の懐中時計を掲げると一言!


「ザ〇ワールド!!!」


そして一気に決めるため今までの戦いの中で1番の速さでアリスの元へ走り左手を貫手の形にし胸を貫こうとしました。


その瞬間今まで動けなかったはずのアリスが突如動き始め左手の貫手を華麗によけ白ウサギの勢いを利用し、逆に貫手で胸を貫きました。


白ウサギは驚愕の表情でアリスに問いました。


「な、なぜ動ける!」


アリスは笑顔でこう言いました。


「光速を超えるほどの速さで動くとどうなるかわかりますか?時間という概念さえ超えるのですよ!」


白ウサギは信じられないものをみたような顔をして言いました。


「バカな!そんな事があるわけが無い!」


アリスはこれにも笑顔で答えました。


「信じる信じないはあなたの自由ですが、あなたのウサギ生はここまでです。」


そう言うとアリスは今まで手に溜めていた気を白ウサギの体で爆発させ細胞を残さず消滅させました。


「ふう、これで終わりですね。お姉さまが待っているかもしれません。急いで帰りましょ....う。」


アリスはそこまで言うと前のめりに倒れてしまいました。


「あはは、私もここまでのようですね」


アリスの上にはコロシアムの崩落により様々な大きさの破片が降ってきています。


「最後まで戦えて悔いはありません。」


そう言ってアリスは目を瞑りました。


だけどいくら待っても破片が降ってくることはありませんでした。


アリスが上を見ると、なんと!全ての破片が停止しているのです!


誰がやったのかと思い、周りを見ると遠くに人影が見えました。


その人はゆっくり近づくと


「アリスは毎回戦う事にボロボロになってしまいますね、次からは仙豆は2個渡しましょう。」


と言いました。


「お、お姉さま」


アリスは泣きそうになるのをこらえていると


「ほらアリス泣かないの、お家に帰るわよ。」


その言葉を聞くとアリスは泣くのを我慢できず姉に抱きつき泣いてしまいました。


その後泣き疲れたアリスを姉は家へ運んでいきます。


これがアリス達一家の日常の風景です。

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