美術室の怪
うにどん
本文
これは叔父が学生時代に体験した話だ。
叔父は学生の頃、オカルト、怪談話が好きで放課後は仲間と一緒に教師に注意されるまで話し込んでいた程。
夏休みが始まる一週間前ぐらいに叔父は仲間の一人からこんな話を聞いた。
――第二美術室にある寝ている女性の絵、深夜になると閉じている目が開いている。
ごく有り触れた学校の怪談だった。
第二美術室は旧校舎の美術室の事で、新校舎が建った時に新校舎の方を第一、旧校舎を第二と振り分けたそうだ。
旧校舎は古い木造校舎で『出る』とその学校の関係者だけでなく近所でも心霊スポットとして割と有名だったらしい、だから、その手の話は有り触れていて珍しい話ではなかった。
だけど、叔父はその話に非常に魅かれ、例の絵を見に深夜、学校に忍び込む事にした。
当時、スマホどころか携帯電話すらなかったから叔父は兄――俺の父が買ったポライドカメラを勝手に持ち出して深夜の学校に忍び込み真っ直ぐに第二美術室へと向かった。
旧校舎は心霊スポット扱いされてる事から侵入者が相次いでる為、普段は鍵を掛けられているのだが、その日は鍵が開いていて難なく入れたそうだ。本当は鍵が開いている事を異常だと思わなければいけなかったのだが興奮していた叔父は「ラッキー」ぐらいとしか思わなかった。
ギシギシと鳴る廊下を歩いて一階つき当たりにある美術室へ辿り着くと壁に例の絵――寝ている女性の絵が飾ってあった。そして、その目を閉じている筈の目はパッチリと開いていた。その目はまるで叔父を見ているかのようだったという。
「話は本当だったのか!!」
そう叫んで興奮冷めやらぬうちに叔父は何枚も写真を撮ると足早に去った。
家に帰るとポロライドで撮った写真には女性の絵がハッキリと写っていて、オカルト仲間達の反応が楽しみでその晩は寝つけなかったそうだ。
翌日、叔父は写真を仲間の一人に見せた、だが、反応は叔父が想像していたものとは違った。
「絵なんて写ってないぞ」
仲間のその一言に叔父はそんな筈はないと言ったが写真を見ると写っていた筈の絵は其処にはなく壁が写ってるだけだった。
「それに旧校舎、侵入しないように鍵いつも掛かってるのにどうやって入ったんだよ。あと、美術室に絵なんて飾られてるなんて初めて聞いたぜ」
その言葉にようやく叔父は昨晩の出来事が異常だと気付いたそうだ。
叔父はその時を振り返る度に思うらしい。
――もしかしたら呼ばれたのかもしれない。
何処に? とは流石に聞けなかった。
美術室の怪 うにどん @mhky
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