深い森の中の少女

一七イチナ「...私は一七だ。...あの、何か嫌なことあったのか?」

一霊「...え?」


気付くと、目が痛かった。...いや、胸も痛かった。自分の目に手を当てる...そっか、ボク泣いてたんだ...


一七「なんで泣いてんだ?気持ち悪い」

一霊「ごめんなさいぃぃ...」

一七「あーもう!謝んなっつっただろ!?」

一霊「うっ...うぐっ...」

一七「...あ、ご、ごめんな?急に大声出して...」


そう言ってその女の人は腕を掴んだ。そして何かに気づいて、驚愕し、どこかボクの事を怖がっていた。


一七「...なんだよこれ...まさか自分でやったのか!?最近こういう自殺が流行ってるし...」


ああ、もう何でも良い。お願いだからどっか行ってよ...放っておいてよ...


一七「...あの、親族からなんかされてるか?お父さんとか、お母さんとか、兄弟に...」

一霊「...ううん。」

一七「...本当にか?殴られたりしてない?」

一霊「...それはそう、だけど...それはボクの為に...」

一七「でもこのアザの数はおかしいだろ...」

一七「...あ、家出少年か?お前。来い」

一霊「あ!?待って!」

一七「は?いいから来いよ」

一霊「...」


ボクは引っ張られるがままに、その女の人についていった。どんどん森の中に入っていく。


一霊「...大丈夫なんですか?ここ...」

一七「おら。」

一霊「...え?」

一七「私の家。」


そこにあったのはボロボロな木で出来た家。虫も住み着いている様に見える。


一霊「え?家、い、え?」

一七「そんな混乱すんなって。私の姉ちゃん、怪我でもう死んじまってるけど造ってくれたんだよ」

一霊「...つくった、すごいね...」

一七「だろ?入れ」

一霊「!!良いの?」

一七「ああ、その代わり、話は聞かせてもらうぞ」

一霊「うん...」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

次は、ボクの番だ 猫田 @kantory-nekota

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ