ステータス

「防具にはステータスがある」


親父は語り出す。


「頭、胴、腕、腰、足……それぞれの部位ごとに耐性数値や、スキルがついているんだ」


そういうと、何やら古い巻物を取り出してきた。


「お前にこれをやろう」


受け取ってみると、とても古い羊皮紙だとわかる。

相当長い巻物なようで、かなりの太さだ。


それに、一体何年前のものだと思うほどに日に焼け、ずっしりとした重みを感じられる。


「開いてみろ」


言われるがまま、巻物を縛っている紐を解く。


そこには何故か俺の名前が記されており、その下には棒グラフみたいなのが続いていた。




上から緑、白と二本ならんでいる。


二本とも同じ長さで、それぞれ100、100、と数字が記されている。


「何これ?」


意味がわからず首をかしげる。


「お前のステータスが見れる。上からお前の体力、スタミナだ」


俺の横に来て手元の巻物に目を通すと、そう説明してくれた。


「これは?」


巻物をさらに進むと、次は五角形のグラフ、レーダーチャートが出てきた。


「これは防御力を表している。一番上が物理防御力、時計回りに火、水、風、土属性耐性だ」


なるほど。


つまりは今のところ俺のステータスは、装備している防具によって上昇しており、物理100火−10、水5、風0、土10だ。


「お前がしている装備ムシヨロイシリーズだが、土属性に強く、火属性に弱くできている」


「なるほど……」


少し進むと装備一つ一つの詳細が記されていた。


シリーズが同じだからか、頭、胴、腕、腰、足全て同じ数字物理20、火−2、水1、風0、土2となっている。


「ほんとだ」


「次のところを見てみろ」

「ん……」

さらに進めると、今度はスキルの欄があった。


「スキル、攻撃、防御、身軽……何これ?」


スキルの名前が並んでいるだけで、詳しい効果は書かれていない


「ああ、残念ながらスキルの詳細な効果はよくわからないんだ……」


全然残念そうには見えないが、残念そうに言う親父。


「鍛冶屋なら分かるんだが、お前の知り合いにはいるか?」


「いない。親父は?」


「ああ、おじいちゃんの頃からのすごい人がいたんだがな、先日亡くなったんだ……」


「……モンスターにやられたの?」

「いや、寿命」



「あそう……」


「まあ、スキルなんてのは、シリーズ装備を全て着ている時のオマケみたいなものだ、あまり気にするな」


うんうん頷く親父。


「わかった」


特に突っ込んで聞くところでもなさそうなので、適当に流しておく。




「よし、これで一通りは説明し終えたな、後は実践あるのみだ」


親父は満足そうに頷いてガレージから出て行った。

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世界の半分がバケモノになった世界で僕達は生きる ベームズ @kanntory

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